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APPETITE [歌詞]

 APPETITE
 詞/曲:Sagishi

 夜を彷徨き 街並みを眺める 泥に溺れた絶望を飲みこむ
 もがいた分だけディナーは甘い そう、きっと僕だけ眠い
 夜を彷徨き 街並みを食べる 今日と言う名の絶望を飲みほす
 もがいた分だけ君は苦しい いま、そっとあなたへ殺意を決意

 加害することの快楽が私を坩堝へ飲みこむ 皮膚をゆっくり
 なぞる血がしっとり心臓を撫でて深奥へいざなう
 未だかつてない朝 未だかつてない汗
 君は悪へ瞳孔をひらいてすすむ 研ぎ澄まされた感情
 ゆっくり刃があなたの肉を精神のない破片へと
 切り裂け、いい加減、気づいたほうがいいんじゃないか
 方角のない悪意が殺意となって何万もの覚悟へと降り注ぐ
 ナンマイダー犯罪だー散灰だー 産み落ちた膿の小悪魔だ
 焼却炉へ消える夢を見る明日と明後日を往復する幸福へ
 匍匐前進する洞窟へ嘔吐しに緞帳へ、同調放擲し

 食べる 食べる 随分おなかがすいた
 アプリコット 嗅覚が満たされる
 別にどうと 言うわけでもないが
 独り言 恐怖 迫る 迫る
 なにが? 誰かの涙
 落涙する欠如 方向性のない乾いた
 患者 ガンジャ フーコー 周到性
 フライトする胎盤 柔らかい器官がふっくらと
 おいしそうに温かいむくな顔をする

 椋鳥 鬱の木 甲骨と 移ろい
 君も相当作り笑い まるで美しい
 私の映し鏡 花を飾る

 夜を彷徨き 街並みを眺める 泥に溺れた絶望を飲みこむ
 もがいた分だけディナーは甘い そう、きっと僕だけ眠い
 夜を彷徨き 街並みを食べる 今日と言う名の絶望を飲みほす
 もがいた分だけ君は苦しい いま、そっとあなたへ殺意を決意

 手頸のさきを流れる静かな空間
 小さなまま押入れにいれて大事にしていたもの
 暗い葡萄のかげで黙っていたけど
 ちゃんと全身に"根"をはって聴いていたのね
 この血の哀悼に応えてくれるのなら
 窮屈な"はこ"をいま抜けだして
 さあ ひと思いにぱっくりと
 さいしょの産声をきかせて……おなかすいた

詩を書くひと。押韻の研究とかをしてる。(@sagishi0) https://yasumi-sha.booth.pm/