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押韻論

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日本語の押韻の基礎的な考察や研究
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#英語

日本のHIPHOPをグローバルなレベルにするためには

 こんばんは。Sagishiです。  今回は「日本のHIPHOPをグローバルなレベルにするためには」、何を意識しないといけないのか、ということについて、自身の備忘録も兼ねて書いていこうと思います。  あえてグローバルと書いてはいますが、要するに「USで通用するためには」という意味です。わたしは、現在の日本のHIPHOPはある分かれ道に立っているのではないか、と若干ながら感じています。  それは、「日本人だけに通用する道を行くのか」と「USにも通用する道に行くのか」という

日本語の完全韻の定義(2023年暫定版)

 こんばんは。Sagishiです。  今回は、日本語の完全韻(Perfect rhyme)について、その定義をまとめる記事を書きます。2023年の暫定版になります。 1 表記法の説明 日本語の完全韻(Perfect rhyme)の説明をするまえに、日本語音声の表記法について解説をします。  まず子音等の表記は、以下の独自の表記法に従います。既存のIPA(国際音声記号)に複数の課題があるため、独自の表記法を構築しました。  また、音節主音(音節核を持つ)母音には、以下の

対照押韻論:イタリア語中心の分析

 こんばんは。Sagishiです。  今回の記事は、次期・日本語の「完全韻」構想を書いていきます。2021年にはじめて「完全韻」の定義について記事を書きましたが、時間を経るにつれ、自分のなかでも色々考えが変わってきました。 1 イタリア語の脚韻1-1 システム  「イタリア語」の押韻スタイルを調査して、面白いことが分かった。  ダンテのテルツァ・リーマは「1行11音節で、三位一体の脚韻手法」だとは聞くが、どういう押韻スタイルなのかは理解していなかった。  イタリア語

日本語の押韻論:長短韻の問題、リズム単位(等時性)の重要性

 こんばんは。Sagishiです。  今日は、わたしが日本語の不完全韻の1つとして独自にカテゴライズしている「長短韻」に、問題があることに気づいたので記事にします。 1 日本語の不完全韻 わたしは日本語の不完全韻には「重音節韻」「長短韻」「撥音韻」、またややイレギュラーなスタイルとして「語感踏み」があると考えています。  特に「重音節韻」と「長短韻」は、日本語ラップにおいて広く実践的に使われている押韻形式ですが、これまで明確に定義化がされたことがありませんでした。これを