渋谷区制度融資で創業時600万円調達したけど失敗した5つのこと【申請書類一式公開】
2022年3月に渋谷区で法人登記して、会社経営をしてきた中でいくつか重大な失敗がありました。そのうちの1つが、渋谷区の「制度融資」の使い方です。創業時に使える融資のうち非常に魅力的な一方で、使い方やタイミングには要注意すべきことがあります。
これから渋谷で起業する方が、同じ失敗を繰り返さないように渋谷区の制度融資でうまくいったことと、失敗したと感じていることをご紹介します。
渋谷区の制度融資とは?
中小企業事業資金融資あっせん制度というものがあります。渋谷区などが金融機関の間に入って経営相談などをすることで、利子を代わりに支払ってもらい、安い利子で融資を受けられる制度です。
創業支援資金は以下の通り。利用者負担の利率が「0.1%以内」というのが驚きです。日本政策金融公庫とは違い保証人はつける必要があったので注意です。経営者個人が責任を負うことになります。
(今は国・信用保証協会の方針が変わっているので、保証をはずせる可能性も高いと思います)
申請書類一式
申請書類は以下のファイルにまとめています。日本政策金融公庫と大きくは変わらず、経営者の履歴書や事業計画、資金計画を簡単にまとめることになります。
上記の他にも、僕は社会人1年目から個人事業主としての開業をしていたので、廃業届を出して廃業の証明もしていました。
創業支援診断報告書
渋谷区の窓口に4,5回通って経営相談をした上で、経営支援診断報告書を相談員の方に作っていただきました。当初はメンタルヘルス関連のNFT事業に挑戦していたのですが、NFTに明るい相談員の方だったので話が早くて良い議論の時間になっていました。
失敗したなと思う5つのこと
創業時に利率0.1%と格安で600万円の融資を受けられたのは非常に大きかったです。一方で、失敗したなと思うことも5つあるのでご紹介します。
【1】タイミングを間違えた
最大のミスはタイミング。僕は日本政策金融公庫と「同時」のタイミングで渋谷区の制度融資を申し込みました。その結果、2つの審査が同時並行で進んで審査結果も片方が落ちたら振り出しに戻る感じでした。
もし、やり直すなら「まずは日本政策金融公庫で900万円の融資を申し込む」ということをした上で、着金した後に、追加で信用保証協会の保証付融資(渋谷区の制度融資なども活用)に進みます。
【2】個人保証を外せなかった
600万円の融資については経営者の個人保証を外すことができませんでした。つまり、会社が倒産・廃業した場合は、600万円の借金をそのまま僕の財布から返済しなければなりません。
日本政策金融公庫のみで900万円を調達できれいれば、個人保証なしで借りられたので、より健全な経営ができたなと後悔しています。
【3】信用保証協会の枠を減らした
信用保証協会の保証付融資の枠は企業ごとに決まっています。その枠を600万円分使ってしまいました。いざお金が必要になった時に、信用保証協会の枠を使えない可能性があるのは中小企業にとって致命的です。
【4】メガバンクで融資を受けた
なかなか銀行口座を開設できず、今回は偶然開設できたみずほ銀行で融資を受けました。メガバンクからプロパー融資を狙うのは相当困難です。そのため、できるなら信用金庫や地銀からの融資実績を作り、プロパー融資に繋げるのが原則です。
一方で、みずほ銀行の担当の方は非常に親身に相談に乗っていただいているので、それはそれでよかったなと思っています。追加融資で、城南信用金庫さんで口座開設して信用保証協会の保証付融資を狙おうと思っています。
【5】渋谷区から出られなくなった
渋谷区の制度融資を使った結果、渋谷区から出ることができなくなりました。2023年7月に東京都杉並区にオフィスを構えたのですが、引き続き登記場所として渋谷区の住所は残しています。
創業融資の王道と制度融資の使い方
基本的に会社を設立したら、すぐに日本政策金融公庫の創業融資を受けにいきましょう。資本金の3倍を目標に、最大900〜1000万円の融資を経営者の個人保証なしで受けます。借りたお金は、信用金庫や地銀の銀行口座に着金させます。
その上で、信用保証協会の保証付融資で追加の融資を狙います。信用金庫や地銀からの融資実績を作ります。制度融資は「使えたら使う」という感覚で良いかなと思います。利息をケチるより、理想通りの経営ができることの方が重要です。そこから創業3期目〜4期目のタイミングで「プロパー融資」を引き出しに行きます。これが創業後の資金計画の王道です。
融資で失敗せず、うまく会社経営できる人が増えることを祈ります!
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