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株式会社パパゲーノを創業しました。

こんにちは。株式会社パパゲーノ代表取締役の田中康雅です。
2022年3月2日に株式会社パパゲーノという名前で法人を設立しました。そして3月31日に創業のプレスリリースと会社のHPを公開しました。

パパゲーノの創業に込めた想いとして、

  • なぜこのタイミングで起業したのか

  • なぜ「パパゲーノ」という名前をつけたのか

  • なぜ「メンタルヘルス」×「web3」なのか

の3点を簡単にご紹介させていただけたらと思います。

なぜ起業したのか?

起業した理由は、会社のパーパスである「生きててよかった」と誰もが実感できる社会を創りたいからです。身近な人の自殺未遂を経験した原体験から、特に精神疾患やメンタルヘルス不調、休職、不登校などを経験しても、生きててよかったと誰もが実感できるような仕掛けを創っていきたいと考えています。

それ以上でも以下でもありませんと言えたらかっこいいのですが、実際はいろんな言い訳をして、たくさん遠回りをして、ようやく腹を括ることができたので、26歳の今このタイミングでの創業となりました。

僕はかれこれ5年以上、「メンタルヘルス領域で起業したい」と言い続けています。5年間も躊躇した最大の理由は、「どんな事業をやるのが最適なのか」がわからなかったからです。勝手に、自分が変な事業を創って大失敗して色んな人に迷惑をかけることを恐れていたり、自分よりも優れた経営者はたくさんいるのでそういう人のビジョンの実現を側で支える方が社会のためになるだろうと考えていたりしました。そのため、株式会社iCARE、株式会社エクサウィザーズと、スタートアップを渡り歩いていました。

WHY→HOW→WHATの「ゴールデンサークル」があると思うんですけど、WHYである「どんな課題を解決したいのか?」「どんな社会を創りたいのか」がある程度明確に描けているのであれば、具体的手段である「HOW」「WHAT」は未定でも起業していいんじゃないかと思えたので、起業したというのが正直なところです。起業して活躍している同年代の友人からお尻を叩かれて、ようやく決心できた感じでした。

その結果、「web3」という言葉に出会い、共同創業者にも起業を決意した後に出会い、「メンタルヘルス」と「web3」という軸で20代後半はがんばってメンタルヘルス産業に貢献したいと思うようになりました。

(※絶賛勉強中なので、詳しい方色々教えてくれたら嬉しいです。メンタルヘルス×web3に興味ある方はぜひ議論させてください!!)

ちなみに、当初は自助グループや福祉施設、医療機関の統合的なデータベースを提供するWEBメディア事業(メンタルヘルス版の『MEDLEY』のようなイメージ)で始めようとしていたので、既に1度大きく方針転換しているのですが、何度ピボットしてもパーパスに向けて挑戦していこうという気持ちです。

メンタルヘルス分野に特化した日本初のビジネスコンテストを主催して、さまざまな起業家さんとお話しして勇気をもらえたのも大きかったです。

なぜ「パパゲーノ」という名前をつけたのか?

「パパゲーノ」という社名は、オペラ『魔笛』の登場人物の名前に由来します。そしてこの名は、「パパゲーノ効果」という「自殺を踏みとどまった人の物語に、自殺の抑止効果があるかもしれない」という仮説に使われています。2010年にウィーン医科大学のThomas Niederkronthaler (トーマス・ニーデルクローテンターラー) 氏らにより「Role of media reports in completed and prevented suicide:Werther v. Papageno effects」という論文で提唱されています。

起業する時点で事業内容は未定だったのですが、「パパゲーノ」を社名にすることは随分前から決めていました。この仮説を実証し広めたい、というシンプルな想いです。いつかトーマス・ニーデルクローテンターラー氏らと共同研究するのが夢です。日本に「パパゲーノ」というメンタルヘルス関連のスタートアップ企業があると聞けば、トーマス・ニーデルクローテンターラー氏も何らかレスポンスしてくれるだろうという狙いです。

末木新先生の『自殺学入門』を読んで初めて「パパゲーノ効果」という言葉を知った時、脳の中でイナズマのような衝撃が走りました。

自殺報道などメディアが与える影響は、著名人などの自殺報道がその後の自殺を増やしてしまう「ウェルテル効果」という「ネガティブ」な側面が注目されていました。その真逆で「ポジティブ」な側面に注目したのが「パパゲーノ効果」です。自己意識の世界で『受動意識仮説』が起こしたコペルニクス的転回にも似たパラダイムシフトだと感じました。

パパゲーノ効果は、まだまだ研究段階。もっと実証が必要です。アート、メディアを通じて誰にどうポジティブな影響を与えられるのか、事業を創りながら実証していきたいので「株式会社パパゲーノ」という名前をつけました。

なぜメンタルヘルス産業をWeb3で変えたいと考えているのか?

これまで「人材紹介」「SaaS」「WEBメディア」「コンサル」「AI」の業界を見てきて、当然のように、その知見を生かしたメンタルヘルス事業を考えていました。

  • 自助グループや福祉施設、医療機関の情報を網羅的に横串で並べたWEBメディア事業を作れないか?(実際プロトタイプも作り始めてた)

  • 福祉施設向けのBtoBSaaS事業を作れないか?

  • メンタルクリニック向けのバーティカルSaaS事業を作れないか?

ありきたりな発想で、いまいち「やりたいこと」「できること」「社会から求められていること」が重なる「これだ!!!」と情熱を捧げられるような事業案にならずに悩んでいました。

そこで出会ったのが「web3」という未知のキーワード。共同創業者と議論している中で「アートNFTをうまくメンタルヘルス事業に活用できないか」という提案から、猛スピードでNFTやWeb3について調べ始めました。すぐに鉄板本の『NFTの教科書』を買って読みあさり、ウォレットを自分でも作ってみて。先日OpenSeaでNFTの出品も自分でやってみたりしました。

まだまだ勉強中だけど、web3について学べば学ぶほど、メンタルヘルスケアの自助や互助を加速させるためにweb3の力が活用できるんじゃないかとワクワクします。まずは地に足ついたプロジェクトを少しずつ積み重ねて、メンタルヘルス領域での実証を進めていけたらと思います。

今はNFTが異常な価格で取引されていたり、投機的目的で取引している人や詐欺多かったりと黎明期特有の課題はありますが、最終的には本質的に価値のあるものが残っていくと思うので、パーパスに向けて1歩ずつ会社を前に進めていきます。

一緒に手伝ってくれる方、協業を検討いただける方を絶賛募集中です。「メンタルヘルス」「自助・互助」「アート」「メディア」「NFT」「web3」などのキーワードに興味がある方は、気軽にご連絡ください!

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