スピノザは17世紀を代表する哲学者で「迫害を受けてアムステルダムにやってきたポルトガル系ユダヤ人の二世として生まれ育ち、やがてそのユダヤ人の共同体からも【破門】を受けて放逐されます。ユダヤ教からはじかれて、ではキリスト教に改宗するかと思えばしません。彼はあらゆる宗教から慎重に距離を取って生きるという、ヨーロッパ社会の当時の一般常識からすると考えられないほど危険で珍しい生き方を、しかも自ら進んで選び取った。」人で、哲学者としての評価は後世のもので、当時は破門者として有名だったようです。
スピノザの「自由の哲学」に関わる言葉や行動を拾ってみたい。
図書館で何げに手に取った「スピノザ」、そしてそこで触れた「人間の自由の哲学」であるが、今の世界情勢の事を思わずには読めなかった。「暴力をもって人を強制する社会は長続きしない」というスピノザの声をウクライナの人々の国家と民族を守ろうとする言葉と行動と重ねて力強く聞くと同時に、「理性が言うほど当てにできないことは百も承知で、それでも理性に突破口を求めるしかない」という現実の厳しさも肌で感じてしまう。