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40代の友情は雨粒のように

「私ね、安快ちゃんと友だちになれて本当に幸せ」
知り合って10年になるMちゃんが言った。

私、Mちゃんには恋愛感情や性的な感情は、もちろんコレーっぽっちもないんだけど。

それでも私は

ああ、私が男だったらきっとMちゃんと結婚して、彼女のマイペースなところにちょっとイライラしたりしながらも、ずっとずーっと大切にし続けて結婚40年目とかを迎えるのだろう…。
とか思った。

生まれたタイミング、
出会ったタイミング、
生きている環境。

それら全てが完璧な形で揃ったから、
私とMちゃんは今もこんなに仲良く、
まあ何年も友人として付き合っている。

Mちゃんは明るくて社交的。
でも、どことなく薄っぺらい。

私は根暗で一人でいるのが好き。
そして、私もなんだか薄っぺらい。

そんなタイプ違いの薄っぺらい二人が
実は深い深ーい、
とても薄っぺらいとは思えない
深いところで繋がっているんだから、
世界はまだまだわからない。

Mちゃんは、私の意味不明な話も
「それいいね♪」って言いながらいつも聞いてる。
多分っていうか絶対、
私の言ってることがわかっていない時でも
「それ、いいね♪」って言っている。

それでも、なんとなく。
Mちゃんとの2人の時間は、「あはは〜まあ、いっか〜!っていうか、“まあいっか〜”って言って問題を忘れちゃう私たちなんかいいよね〜」と、
ノーウォーリーズワッウィーラブみたいな雰囲気でのフロウが続く。

3人のお子さんを持つMちゃんと、2児の母の私。
「Mちゃんはお友達」
用心深い私が、そう思えるようになって4年くらい。

お互い「そろそろビルでも爆破したいよね〜」というタイミングで、美味しいものとお酒を楽しみに行く。

お互いに溜め込んだストレスを発散させるために会うわけなんだけど。
全てがピースフルで、バイバイした後は毎回体の中心部からじんわりと満たされる。
「あはは〜ビル爆破しなくて大丈夫だったね〜あはは〜」とか言いながら、
毎回また会う約束もせず別れる。

また会う約束をしなくても、
また必ず会うんだから。

「私ね、スリランカにね、アーユールヴェーダのトリートを2週間くらい受けにいってみたいな。」
そんなことをMちゃんに話すと
「いいね!いいね!一緒に行こう!!」って
まあ、軽くて薄っぺらい即答がMちゃんから返ってくる。
そんなこんなで、相変わらずノリは軽く、とってつけたような、うっすいフロウが心地よい。

別れ際にも
「スリランカ!行こうね♪」
「うん!絶対行こう!行こう!」
そんな挨拶で別れる。

次に会う時に
私たちがスリランカ行きの飛行機に乗っているのか
やっぱりこの街でお酒を飲んでいるのか
それは誰にも分からない。

それでも私は、Mちゃんとどこでだって同じノリでいたいんだ。
80歳になっても。
90歳になっても。
100歳にになってもね。

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