(一社) Integral Vision & Practice設立にあたり思うこと
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(一社) Integral Vision & Practice設立にあたり思うこと

廣田靖子(ひろたやすこ)

令和3年3月3日、日本のインテグラル理論界を牽引してきたお一人、鈴木規夫さんを代表理事に(一社)Integral Vision & Practiceを立ち上げました。私は理事を務めます。

インテグラル理論を長く学んでいる人達からすると、「なぜあなたが急に?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。

鈴木さんからは「2トップで行くから、自分の声をもっと明確にしていくこと」と無茶ぶりされ、そんな対話もしてきました。そして見えてきました。

私の声

社会の中でそれぞれのリソースが循環し、全ての人、ものに居場所を与える

どこかで聞いたことがある言葉になったけれど、こう思うに至った体験、経緯をまずは書きたいと思います。

お金の循環だけではなく、社会に色んな循環があればいいと以前から考えてきました。コロナ自粛に入った昨年3月、更にその思いが強くなっていた時期にインテグラル理論に出会いました(だから、私のインテグラル理論歴は長くないのです)。

でも「リソースの循環」を思うに至ったのは、実は20年ほど前のことです。


外資金融から心理学系大学院へ

私は外資系金融機関を辞め、臨床心理師になるために大学院に入学するというちょっと変わった経歴の持ち主です。
そして大学院時代、最初に行った研修先の精神科クリニックで、生活保護の方たちのカウンセリングを担当することがありました。

外資金融の世界と生活保護の世界、ほぼ同時期に両方の世界を垣間見たそのインパクトはとても大きく、「全然違う!!」と思いました。でも同時に「同じだな」とも思ったのです。

どちらの人たちも日々懸命に生きているという点においては同じ。
でも決して交わることのない世界。

この両極ともいえる世界を体験したことが、今の活動の原点となっています。


ゲームに入れない人々、ゲームから放りだされた人々

インテグラル理論で鈴木規夫さんはよく、人間社会を「マトリックス」に例えます。また、「死ぬまで終了ホイッスルが鳴らないゲームを生きている」とも表現されます。
ゲームというのは「成功ゲーム」「金銭ゲーム」「学歴ゲーム」「キラキラゲーム」「モテモテゲーム」「優秀な子育成ゲーム」など。

もちろんこうした様々なゲームを包括するゲームが「社会」です。でも、最初から社会というゲーム参加にハンデがある人達がいます。児童養護施設など社会的養護や貧困家庭の子ども達、疾患や障害を持つ人達など。

また、ビジネスの世界でやっていて燃え尽きたり、大病したり、メンタル不調になった人達はゲームのプレイグラウンドの外へと一旦放りだされた人達かもしれません。

私自身は心理師として、常にプレイグラウンドのライン上ギリギリにいて、みんなが自分らしいスタイルでゲーム参加するのサポートしたいとやってきました。

でもこれからは少し自分の範囲を拡げ、「多様なスタイルで参加できる社会」の実現に向けての活動を考えたいと思っています。「多様性を認める」と最近よく言われるけど、もう一歩進めてそこに循環を起こしたいと思うのです。

ビジネスを上手くいかせるためのサポートも大事だとは思うけれど、鈴木さんと私のやる成人発達の学びは、人間としてのトータルな発達を視野に入れたものです。そして私たちの言う「社会」とはビジネス界だけじゃない「全ての人、ものを含む社会」です。自然も含めて。

たぶん私が同時期に両極ともいえる世界を見せられたのは、何かそこに役目があるように思っています。
それに私自身も常に世界に違和感を持ち、ゲームのライン上にいる感覚で生きてきた、というのもあるのかもしれません。

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リソースはお金だけではない

そのとてもいい例があります。前職場だった投資銀行は現在、子どもの貧困や児童養護施設の支援にかなり力を入れています。私も社会的養護の活動を以前(今も)試みていて、以前相談に行った時に元上司が、

「施設の子ども達と触れ合って感謝されると、心からよかったと思うんだよ。」

と嬉しそうに話してくれたことがあります。
新聞一面に載るビッグディールを数々成功させている彼がそんなことを言うのに少し驚きました。
けれど、きっと彼はこれまで味わったのとは違う喜びを感じ、それは彼のシャドーを癒しているように感じました。
これは「彼らが与える」という一方的なものではなく、彼らも子どもたちの純粋な感謝を受け取っている。ビジネスの世界と異なる循環があると思うのです。

Ethan Roland & Gregory Landuaの「8つの資本」(私は資本より資源という言葉を使っているけれど)もご紹介しておきます。こう考えると、誰もが何らかの資本を持っていることに気づくでしょう。

1. 金融資本 お金、通貨、株
2. 社会資本 人とのつながり、影響力
3. 物質的資本 石、鉄、木、化石燃料、道具、建物、社会のインフラの原料
4. 生命資本 水、土、動植物、菌類
5. 知的資本 (自分やほかの人の)アイデアや知識、科学など
6. 経験資本 体験を通していろいろなことができるようになること
7. 精神的資本 自分より大きな「何か」を信じることから生まれる力
8. 文化資本 歴史のなかで積み上げられてきた伝統など(食文化、民謡、お祭り)

エゴを手放す努力をすること

もう一つ、循環する社会にしていくために重要なのは、一人ひとりが「エゴを手放す努力をすること」だと思います。
レクティカで測定するような複雑な事象を扱う認知能力と同程度か、それ以上に、エゴ中心的な視点から抜け出すことがすごく大事なのではないかな。

そして、そのための叡智がインテグラル理論にあると思うのです。
多くの人がこの叡智により何らか気づきを得られたら、世界は少しずつ変化していくと信じたい。世界は一般人に見えないようなダークサイドもあるのだろうけれど、希望もあると思いたい。
だからインテグラル理論の叡智を伝えていきたいし、私がこれまで実践してきたシャドーワーク、ボディワークやスピリチュアリティについても提供できたらと思っているのです。
心理の専門であることをベースに、でもその枠を超えて私個人としての活動をしていきます。


最後に ー 安らぎと幸福感

このように書いていると、社会変化のためにエゴを手放すよう聞こえるかもしれないけど、そうじゃないのです。個人にとっても、本当の安らぎや幸福感はエゴを手放すことでしか得られない。

そこで充足して初めて、魂の意図が生じてくると言われています。

実は私にも最近そんな体験がありました。

その時は突然やってきて、「全ては充たされている」と確信しました。
こうして存在していること、過去の様々な体験の意味、私の周りになぜこの方々が居てくれるのか、全てスーッとつながり、そこには充足と感謝しかなかったし、「もう何もしなくてもいい」と思いました。
でもそこから、本当に私がすることが現れてきたのです。

だから、この法人での活動は焦らず私達らしくやっていきます。
自分が大きくなることを目指して仕事しても苦しくなるばかりで、エゴは充たされることはない。若い時は経験だからいいけど、特に人生の後半は手放すことの方が大事だと思います。

「自分の内面だけを見ていけばいい」という方もいる。究極そうだと思うし、その重要性を理解して私も心理の仕事をしています。
けれど一方で、私はどうしてもゲーム外にいる人たちが気になる。仲間に入れたい。理由はわからないけれど、そういう性分なのだと思います。

この星に来て、今生きてるという意味では、みんな同じ

私は心の奥底でそう思っているようです。

具体的なサービスやプログラムについては現在HP作成中です。今後ともIntegral Vision & Practiceをよろしくお願いいたします!

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廣田靖子(ひろたやすこ)
マインドセット・デザインズ代表/ (一社)Integral Vision & Practice理事/ 心理療法、ニューロフィードバックに加え、マインドフルネス、気功、エネルギーワーク、インテグラル理論まで探求中の臨床心理士・公認心理師・ニューロセラピスト/東京,青山で開業中