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多様性を受け入れる社会の背景にあるもの

2021年もあと1ヶ月を切りましたね。ドイツはすっかり暗〜いジメジメと寒い冬に入りました。

ついこの間までは「今年は予防接種も普及したし、コロナ終息モードで明るいクリスマスマーケットを楽しめるかな?!」と思っていたところが、あれよあれよとドイツの感染者数が過去最高を突破して、今急激に規制が強まっています。。生活必需品以外の小売店も予防接種した人or回復した人しか入れなくなりました。

新しいルールができると、Ortnungsamtと呼ばれるルール守らせ隊が一斉に街に繰り出し、違反者に容赦なく罰金を貸します。コロナが流行って以降、早いときは週単位でルールが決定・適応され、取締られるようになりました。

日本で生活し慣れた感覚からすると、規則のアップデートを知らずにうっかり普段どうりの行動をしていると容赦なく罰金を取られるということに恐怖と厳しさを覚えます。電車の運転手と乗客がマスクをしてない件で怒鳴りあったりと、緊迫したシーンにも出会いますし、街歩きの緊張感が増します。

でも、ここにはいろんなバックグラウンドを持ついろんな人考え方の人がいます。新しいルールを正確に知ってすぐ守る人、知らないから守らない人、知ってるけど守らない人、知らないし知っても守らない人。”一つの常識人像”を共有しない人たちを受け入れて一緒に暮らしていくための一つのやり方なんだなぁと思います。

ドイツは難民・外国人受け入れへの寛容(積極的)な姿勢で日本とは対照的ですが、社会が大きな目で見て寛容かどうかと小さな目で見て寛容かどうかはどちらかを優先せざるを得ないことが多く、どちらを優先するのかはカルチャーが決めているのかもしれないと感じます。

細かい気配りを重んじる日本カルチャーでは面と向かって「罰金」と言われることに大きな抵抗感を覚えるでしょうし、太極の理想を重んじるドイツカルチャーではそれよりも大きな意義と正当性がポイントになるのでしょう。

このカルチャーというもの、つまりは”社会の慣れ”ですが、個人でも習慣を変えるのが大変なわけですから、社会の習慣の力たるやものすごいですね。今ある風景や歴史・政治制度という環境はその産物であって、その環境の力も加わって今生きている人たちに育まれた慣れの力はものすごいわけです。

でも面白いと思うのは、”どんなものに魅力を覚えるか”というのは慣れが育んだ相対的価値観であって、相対性が優先順位を生み、決断が180度変わってくるということ。

決断から学べることはあまりなく、それがどんな”慣れ”によって育まれたのかということを見ていくことに学びがあるのかなと思いながら、日々家と保育園を往復するという生活を楽しく過ごしています。

ドイツの救急病床が逼迫してきているということで、いよいよコロナ対策に気を引き締めなければと思ってます。ドイツでは本当に酷くなっても放置されかねないですから。。

皆様も元気で楽しいクリスマスをお過ごしください^^

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