【書評】コンサル一年目が学ぶこと
個人的な評価:★★★☆☆
私のように一般的なメーカーに勤めている人は、環境に身を置くだけでは基礎的な仕事スキルを学ぶことは難しい。同僚や上司から社会人の基礎的な仕事スキルについて指導や注意されることは稀である。だから本書のような基礎スキルを学び、自ら仕事で応用していくことが大切になると思う。
今回も3点だけピックアップして、今後の仕事に活かしていきたい。
①結論から話す
結論から話す技法として、「PREP法」というものがある。PはPoint(結論)、RはReason(理由づけ)、EはExample(具体例)、2つ目のPはPointの繰り返しを意味する。
普段からPREPの型を思い浮かべて、頭の中で整理しよう。そして結論から話すのである。著者は新人時代、「質問に対して取り繕うように答えなくていい。5分考えてからでいいので、頭を整理して答えなさい」と上司から指導を受け、目から鱗だったようだ。言葉に詰まる質問を受けたときは、「1、2分考える時間をください」と言ってから、黙って考えるのも1つの手だ。
質問に対しては、端的に答えるべきだ。まずイエスなりノーなりで答え、それから追加の説明をしたり、相手の質問に答えたりしていくべきである。
②仮説思考を持つ
一般的に「結論を出す」うえでは、膨大な調査をこなして、さまざまな角度から検証しなければならない。だがこのやり方だと、非常に時間がかかってしまうので、仮説思考を使う。
仮説思考では最初に、いま予想できる範囲でストーリーラインを描く。これは間違っていてもいい。「もしかしたら、こうではないのか?」と大胆に仮説を立て、その仮説に沿ったストーリーを考えていく。
そして設定した仮説に沿って、それを検証すべくリサーチを行う。もし仮説が正しいならば、正確なデータを用いて、クライアントに示すグラフを作る。もし違っていたら、そのデータから読み取れる新しい仮説を立て直す。
このようにして、仮説→検証→フィードバックというサイクルを高速で回すことで、本質を効率よく見定められるようになる。
③数字という事実で語る
コンサルタントは1年目であっても、30代後半〜40代で経験豊富なクライアントと話すことが多い。1年目の社員なのに年配の人と仕事ができるのは「動かしようのない事実」を語っていることにある。この事実の最たるものが「数字」だ。それも難しい数字ではなく、売り上げ、出荷個数、コスト、利益率などの単純な数字である。
たとえば街角で、調査員がカウンターを持って数えている数字がある。このような、新聞にもネットにもないデータこそが有効だ。おかしいと思ったら、まず事実を集めて数字にする。数字こそが1年目の武器になるのだ。
感覚や感情のみで相手を説得しようとしても、説得力なんて無い。○○がおかしい!と思ったら、事実を集めて主張することで説得できるのだ。
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