見出し画像

NHK『みんなで筋肉体操』—毎日やってみた

2019年3月 とある会誌に寄稿した文章を一部抜粋。

 平成28年4月の熊本地震のあと、体重が一過性に減った反動で増加に転じ、BMI 25を超えて、なかなか改善出来ませんでした。ついに患者さんからも「先生太ったろ? 俺の目は誤魔化せんばい」と、言われるに及んでダイエットを決意。食事制限を開始しました。食事制限だけでは筋肉が衰えるので、何か運動をせんばん、と焦っていた頃、NHKが夜11時台に、『みんなで筋肉体操』という5分間番組をやる、という情報が入ってきました。これぞ、まさに、夜型の私のためのプログラムだと思い、ネットに挙がっている動画を見ながら、夜、お風呂の前にする事にしました。
 初めてダイエットに挑戦した18歳の私のダイエットバイブル本は、『サーロインステーキ症候群』(小野博道著)でした。この本に紹介されていた運動は、腹筋10回、腕立て伏せ10回、スクワット10回(両足で楽に出来るようになれば、片足10回ずつ)、そして階段を4階まで一気に上がって心拍数をあげろ、というものでした。当時、腹筋は腕を頭の後ろに組んで、腕立て伏せは床に膝を付いて、スクワットは片足ずつ、すぐに出来るようになりました。若いって凄い。筋肉量が多かったのですね。
 それから約30年が過ぎ、気がついてみると、腹筋は腕を降ろさなければあがらなくなり、腕立て伏せは机にしがみついてする始末で、片足スクワットをしようとしたら膝がミシミシ言って出来ず、40cmの椅子から片足で立てずにロコモ判定されてしまう体たらく。とても昔の運動をそのままではできませんでした。
 そこで、毎日筋肉体操です。腕立て伏せ(もちろんテーブルを使って)、腹筋、スクワット、背筋の4種類を日替わりで1日1種類ずつ。負荷は自分ができる程度に軽減した状態から始めて、徐々にお手本通りのフォームができる様に試みました。
 みんなで筋肉体操導入前1ヶ月の骨格筋率と、導入後1ヶ月の骨格筋率を図に示します。
 一日一種類ずつ、一回のみ、5分間と言っても2分ほど説明が入るので、実質3分だけです。運動が大嫌いな私でも、それなら続きます。それで、筋肉量が維持出来て、体脂肪率が減った分、骨格筋率は微増しています。昔の運動も少しずつ出来るようになってきました。効率的に短時間で筋肉が増やせる、よく考えられたプログラムだと判定いたしました。n=1ではエビデンスになっていませんが、今後の追試が待たれます。
 何歳になっても筋肉は鍛えられる。筋肉は裏切らない! 



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?