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デザインの力を楽しんでいこう

心地よい空間でそばを頂いて、おなかも心も満たされた。
なんとか雨は持ちこたえ、引き続き自転車での旅は続く。
デザインされたものを見るのは楽しい。建物やサイン等、
そのデザインに至った理由などを想像するとなお楽しい。


ほどなく斬新な建物が見えてくる。佐賀県歯科医師会館は
低層のホール棟と、フロアが積層されたようなオフィス
棟からなっている。水平ラインで建物は細かく分節され、
庇のずれによって、立体感のあるデザインとなっている。

この庇が高さ方向、水平方向にランダムに配置されること
により、見る角度によっても建物の印象はかわっていく。
庇の寸法は室内のスケール感にあわせて設定されている
という。内部空間により外観デザインが形作られている。

中に入れないのが残念である。ランダムに配置された窓
からの風景や、庇と空間の関係が気になるところである。



またしばらく走ると、敷地内の長いアプローチの先に、
一見すると美術館のような建物。用途は診療所であった。
コンクリートのフレームに、規則的に並べられた開口部、
吹き抜けの大きなガラス面、入り口の庇は目立たぬよう
薄く控えめに設置されている。コンクリートのフレーム
で低層部分を囲うことで、上部のブラウンのボリューム
とバランスがとられた落ち着きのあるデザインである。



だんだんと佐賀市の中心部に近づいてきた。道路沿いに、
大きな庇を持つ建物が見えてくる。この佐賀大学美術館は
梓設計により手掛けられている。大きく張り出した庇の下
のバルコニーの空間により、開放感のある印象を受ける。


洗練された梓設計のオフィス空間。ここから様々な建築が
生み出されている。実際に九州で訪れたことのある建物は
福岡空港ターミナルビル、福岡市美術館のリニューアル、
大楠アリーナ、福岡大学プール、TOTOミュージアムなど。

そして、北九州にあるTOTOミュージアムは斬新すぎる。
洗練されたオフィスで、斬新な建築が生み出されている。



荒木博申氏のデザイン。SUAMは建物デザインをモチーフとされている
OB・OGの作品。玄海町の夕日と海と棚田が表現されている


中では、デザインの周辺という展覧会が催されていた。
佐賀大学の美術・工芸分野の教授であった荒木博申氏の
退職記念展であった。氏の作品以外にも関わった卒業生
達の作品がOB・OG展として展示されていた。荒木氏は、
クリエイターとして生き生きと逞しく活動できることが
何より大切で幸せなことだという。その幸せをつかむため
日々研鑽されているクリエイターの方々を尊敬している。



その方々によって生み出されたデザインは、人々に刺激
をあたえ、笑顔をあたえ、喜びをあたえると感じている。
デザインの力を信じている。これからも楽しんでいこう。

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