100年の時を越える無線塔
日本遺産に登録された佐世保の鎮守府関連の施設
以前の佐世保の旅で、それらの風景に出会った
そしてまた佐世保への旅。その時に知った日本遺産の
施設を訪れるのが、今回の旅の目的の一つでもある。
その施設は針尾送信所。日本海軍が日露戦争を契機
として無線連絡体制の強化のため、1918年から4年
もの歳月をかけて完成させた長波送信施設である。
針尾送信所は近代建築の保存等を行うDOCOMOMO
にも2009年に146番目の施設として登録されている。
ドコモモに選定された建物を訪れるのも楽しみの一つ
空からみる送信所の風景にも圧倒される
100年の歴史を伝える送信所を動画で学ぼう
驚くべき風景が広がっていた。100年前に建設された
高さ136mの無線塔。日本で最初に鉄筋コンクリート
が使用されたのが1890年といわれ、それからわずか
30年足らずで佐世保にとてつもないものが作られた。
型枠の高さが1m36cm。それを100段、コンクリートの
打設を繰り返し建設された約136mの塔。足場は内部
足場で、外部の足場は型枠につけた専用の金物で固定
したり、内部からロープで吊り下げられていたという。
どれだけの思いで作れば、100年経った今も美しい姿
を保てるのだろうか。当時の技術力に驚かざるえない。
3本のコンクリートの塔は、1997年に役割を終えた。
その姿は今でも、過去の歴史を伝えつづけるように、
穏やかな風景の中にそびえ立っている。ボランティア
の方から熱心な説明に施設への愛情を感じ、圧倒的な
規模、そしてそのコンクリートの質感にふれ、当時の
技術力を実感した。佐世保にある日本遺産を感じる旅。
次は3本の無線塔の中央に残された電信室へ向かう。
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