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ありし日の姿に思いを寄せて

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西日本シティ銀行本店  1971  磯崎新
(旧福岡相互銀行本店)


4月に福岡に引っ越してきて驚いたことは、
博多駅前の赤い銀行が解体中であったことだ。
今は解体も終わり、駅前にぽっかりと空間が生ま
れている。その迫力ある姿は、今でも目に浮かぶ。


インド砂岩の赤茶色の壁の圧倒的な存在感、
奥の外壁面に不均一に施された白い水平ライン、
外壁に配置された多様な開口部のバランス感覚、
低層部の宇宙船的なデザインが持つ違和感、
建物の内外に散りばめらていたオブジェやアート。


1971年に完成したその堂々たる建築物は、
当時30代後半である建築家による設計である。
驚くべき大胆さと想像力、緻密さや複雑さ、
その建築家の歩んできた道のりに思いを巡らす。


風景に馴染むのではなく、風景を作り出す力強さ。
博多駅前の印象を決定づけていたその建物は、
1987年に第1回福岡市都市景観賞を受賞していた。


新しいビルに生まれ変わるのは、2025年頃。
博多駅前にできる新たな風景が楽しみである。

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