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時代を映す図書館建築とは

図書館という建物が好きである。書棚を眺め、気になる
書籍を手に取りソファに座りページをめくる。中庭に
柔らかな光が差し、穏やかな休日をのんびりと過ごす。


ということができたら、どんなによいだろうかと思う。
大体が旅の途中なので、図書館を訪れる時はゆっくり
したくても、なんとなく駆け足気味である。幸い家族も
絵本が好きなので、なぜ旅行で図書館という押し問答
にもならず、いろいろな図書館を訪れることができた。


というわけで、そんな素敵な図書館が、家から自転車で
行ける距離に欲しいと願う。そんなに欲しければ自分
から図書館のそばに引っ越せばいいのではないかと、
ふと思ったりする。別にそれほどの読書量があるわけ
でないが、図書館という建物の雰囲気に惹かれている。


かつて訪れた射水市絵本館は、とても素敵な施設だ。
子供が小さい頃こんな場所が近くにあったら、さぞ
楽しく過ごせただろうなと思う。でも子供を自転車に
乗せて通った茨木市の中央図書館にもよい思い出が
ある。建物前には知の殿堂にふさわしいオブジェも。




図書館は、時代の流れの中で大きくその役割や
姿を変えていく。そんな図書館建築が日経新聞
で取り上げられていたので、振り返ってみる。

1)大阪府立中之島図書館
建物の佇まいに知があふれている。1904年に開館し、
100年以上の歴史がある。当時の風景に思い馳せる。




2)京都府国立図書館
設計は建築家の武田五一。1909年当時の外観が部分的
に保たれている。中庭に本を読む少女のオブジェも。





3)国立国会図書館国際こども図書館
東京上野公園に面して建つ図書館。安藤忠雄氏により
リノベーションされ、古きよきものがよりよく見える。




4)神奈川県立図書館・音楽館
前川國男氏による設計で、この4月に前川國男館に
改称されている。前川氏は建築は使われることで人
を幸せにすることが第一の目的であると考えていた
という。新しくオープンの本館にもいつか訪れたい。




5)山口県立山口図書館
図書館建築の名手として知られた鬼頭梓氏の設計で、
前川國男氏の設計事務所時代には、神奈川県立図書館
を担当されている。開架式図書館の先駆的建物である。





5)北九州市立中央図書館
磯崎新氏の設計。記事には何度も読み返したくなる本
に出会ったような建築という表現がされていた。確か
に一度行っただけではつかみきれない。映画の図書館
戦争のロケ地にもなっているので、また訪れてみたい。




7)金沢市立玉川図書館
設計を監修した谷口吉郎氏は金沢の九谷焼窯元の家の
生まれである。建物から陶器のような渋さが滲み出る。
担当したのは谷口吉生氏。本作は父子の最初で最後の
共同作業であるという。谷口父子の原点がここにある。


8)福井県立図書館
穏やかな風景、周りに広がる芝生、気持ちのよい中庭、
ここにはとても居心地のよい空間があり、おだやかな
時間が流れている。緑の風景に映えるレンガの立方体
はオブジェのようなたたずまいでもある。槇文彦氏
に手がけられたいろんなものが詰まった素敵な建物。




9)みんなの森 ぎふメディアコスモス
2015年に開館した伊藤豊雄氏による設計の建物で、
内部には外観から想像できない斬新な空間が広がる。
図書館という言葉で表現しきれないのがよくわかる。
また天井からの柔らかな光。一日のんびりすごしたい。



10)太田市美術館館・図書館
まずはこの空間を体験しに行きたい。空間を体験する
のと日常的に建物を利用するのは異なる。何度も通い
その場所が体に馴染んでいく感覚は、近くに住む人に
しか味わえない。こんな場所が近くにあったらと思う。




というわけで図書館という建物に惹かれている。他に
も魅力的な図書館はある。日常で旅先にて、図書館に
訪れてみる。図書館は時代により姿形を変えていく。


守口市立図書館では貸出カウンターでコーヒーも


シャープな庇から想像できないほど、中には柔らかな空間が
まちトショテラソという名の小布施町にある図書館。素敵な場所


金沢海みらい図書館の斬新な外観。内部は光にあふれている
窓という概念ではなく、ガラスの入った外壁という感じ


福岡からは武雄市図書館にも日帰りでいくことができる
スタバと一体となった図書館。ロケーションも素晴らしすぎる



人と図書館の関係は、どんどんと変わりつつあるが、本
を手にとって読書をする楽しみは変わることはないと
思うし、図書館でのんびりと過ごすことに憧れている。
いつかのこの一館を求めて、図書館巡りにでかけよう。



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