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そしてまた旅を始めよう

壱岐を旅した。そこにある自然、建物、風景の中に身を
委ね非日常の空間、日常の風景を思う存分に楽しんだ。
フェリーに乗り博多港に着き、また日常へ戻っていく。
おりたたんだ自転車を広げ、夜の博多を家路へ向かう。

ふと、旅とは何かについて考えてみる。新明解国語辞典
の語釈は下記の分であるが、私にとっての旅とは何か。

【旅】
(一)差し当たっての用事ではないが、判で押したような毎日の生活の枠からある期間離れて、ほかの土地で非日常的な生活を送り迎えること

新明解国語辞典 第六版より


大辞泉の「あなたの言葉を辞書に載せよう。2015」
という企画では、10個の旅の語釈が選定されている。
旅もいろんな捉え方がある。気になった3点を抜粋。

【旅】 
不足している何かを求め行動すること。何かとは旅によって異なり、それが意外なものである場合や、見つからないことなどもある。  kameko

大辞泉ホームページより

旅には行動がともなう。移動することで視点が変わる。

【旅】 
想像を働かせ、感じること、触れること、見つめること、澄ますこと。そして、受け入れること。 ゆず

大辞泉ホームページより

共感できる。受け入れることで新たな視点が得られる。

【旅】 
普段の生活とは異なる環境に身を置き、人と出会い、その土地特有の空気に触れることによって新しい価値観や視点を得ることが出来、これまでの自分を振り返り、これからの自分への活力となるきっかけを与えてくれるもの。 daisuke

大辞泉ホームページより

旅が自分の活力のきっかけとなっているのは確かだ。



改めて考えてみる。私にとっての旅といえば、


日常から離れ、ほかの土地にある自然、建物、それらが
織りなす風景に身を委ねること。そして、そこにある
非日常、日常の風景を通して新しい視点に出会うこと。
また日常に戻って、その視点で日々を見つめ、眺めて、
感じること。日々の生活の中に、旅先での風景を感じ、
また旅先に日常の風景を想う。その繰り返しだろうか。

旅をして、振り返って、また旅をする。その繰り返しを
楽しんでいる。何かを探し求めているわけでもないが、
そこで得られる何かに、価値を感じているのは確かだ。
旅は楽しい。いろんなものに触れ、感じる。そこで得た
視点で日々を見つめれば、日常の景色も変わってくる。



また旅を始めよう。博多港からの家路を自転車で走る。
その日、博多ではFaN  Weekというアートイベントが
開催されていた。道路の向こうには光る建物が見える。
その幻想的な光につられて、ふと、そちらへと向かう。


東長寺でのイ・ビョンチャン氏のインスタレーション
艶めかしい光に包まれている
巨大生物のようなアートがゆっくりと動く
日常のお寺の風景が一変した空間がある


博多で以前もライトアップイベントが行われている。
2018年には同じ東長寺でannolab が参加されていた。

博多織を題材としたプロジェクションマッピングだ。

annolabといえば、太陽の月の部屋が印象的だった。


東長寺の境内はイベントに合わせてライトアップされている
赤い五重塔も闇夜に浮かび上がる
普段見ることのできない光と影


近くの龍宮寺も会場となっていた
中には龍宮寺の人魚伝説をモチーフとした作品
インドネシアのムルヤナ氏は海の生態を作品化する


あらためて見ると、とても面白そう。来年を楽しみに。


きっと気づいていないだけで、日々の生活の回りにも
いろんな楽しさがある。アートイベントや、お祭りの
ような目に見えて印象的なこともあれば、普段の日常
の中で移り変わっていくものもある。季節により公園
や河川の樹木は装いを変え、花は色とりどりに咲く。
自然や建物も、太陽の位置によって見え方を変える。
その視点は旅先に日常に、ゆるやかにつながっていく。

また、旅を始めよう。

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