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点と線の関係性について

アイランドシティを後にして、家路に向かう。
橋を渡ると御島水域とよばれる海が広がる。
海を渡るように周回コースが設けられている。
いつか走りに来ることがあるかもしれないと、
休憩がてらに、公園の案内板を下見してみる。


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案内板を眺めていると、香椎海岸遊歩道の所に、
松本清張の「点と線」の舞台との記載があった。
随分と前だが、この小説を読んだ記憶がある。
点と点が線によって繋げられていくことで、
浮かび上がる事実。「点と線」この印象的な
タイトルはなんとなく記憶の片隅に残っている。


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点や線のつながりについて少し考えてみる。
点が打たれていれば、線でつなぎたくなる。
そうやってつないでしまうと、点の存在感は
消滅し、はかなくも線に取り込まれてしまう。

日々起きる出来事が点であるとするならば、
それらをつないだものがいつもの日常である。
そして、日常の中にその点は埋没を繰り返す。
かけがけない経験や出来事も均一化していく。

とっておきのことも、ささやかな出来事も、
自分の中に大切な一つの点として定着させる
ために、その彩りを記憶に留めておきたい。
線の中にも、浮き立つように思いを込めて。


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「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」という
小説と、続けて鑑賞した映画のことを思い出す。

小説では、いまいちしっくりこなかった状況が、
映像により視覚的に腑に落ちるシーンがあった。
黒板に、二人の状況を示す図が描かれた場面で、
点と線によって、二人の関係性があらわになる。

点と点をつなぐ線が交わる所にも存在する点。
線のように連続した人生において交わる点が、
はかなくも切なくも、輝かしく描かれている。


日々は、線としてまだまだ続いていく。
その線は、実際は複雑で一様でなはい。
交差したり、印象的な出来事があったり
あらゆる点が、結ばれたものでもある。
一つ一つの点に思いを寄せ歩んでいこう。

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