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うつわの魅力は眺めることと使うこと。想像力が刺激される

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うつわの世界は限りない。さまざな技法、窯元の個性、一枚一枚の柄や色、そして焼き加減。同じデザインでも器によって違いがある。
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#小鹿田焼

工藝風向に立ち寄るほどに

博多の街を自転車でぶらりと散策する時は、工藝風向 へ足を伸ばす。工藝風向では、時々、企画展が行われ、 陶器や民藝品との新しい出会いがある。坂本創さん展 では小鹿田焼の世界が広がった。工藝風向は魅力的な お店。そして立ち寄るほどに少しずつ器が増えていく。 その日購入したのは、井上尚之さんのスリップウェア。 気になっていた器で、以前に購入した器と相性もよい。 そして器は少しずつ増えていく。器が増えれば料理も 楽しいと自分に言い聞かせ、財布の紐を緩めている。 シンプルなデザイ

かやぶき屋根の民家の中で

小石原から小鹿田の里へ。途中、想像以上の苦難な道 であった分、里の風景に出会った感慨もひとしおだ。 自然とうつわに触れる楽しい旅。小鹿田焼の民陶の 里を後にして、ここからは快調に坂道を下っていく。 自然に囲まれた小鹿田焼のお店。素朴なうつわがより 洗練されて見える。とても素敵な所。ご主人も親切で、 小鹿田焼への愛情を感じる。いつの日かまた訪れよう。 うつわの沼に足を踏み入れそうだ。でも、ふところ 具合もさることながら、小さな折りたたみのリュック もいっぱい。うつわをリュッ

唐臼の音が響く里で

工藝風向で見た一枚の写真。うつわをつくる男性の姿。 ラフな雰囲気に興味が湧く。どんな人なのだろうか。 また、どんな場所でうつわが作られているのだろうか。 購入したうつわを眺める程に小鹿田への思いは募る。 リーチ先生を読んだ。陶器の魅力がつまっている物語。 陶器にかける熱い思いを感じ、小鹿田で刻まれた歴史 を知る。読むほどに、民陶の里への思いを強くする。 ついに小鹿田を訪れる日が来た。どこまでも続くかのような坂を上ると、眼前に民陶の里の風景が広がる。 土に対し、水に対し、

古くて新しい小鹿田焼の世界

工藝風向にて開かれた、小鹿田焼の坂本創さんの 個展を訪れた。毎年開かれていて今回で10回目も 毎年の会は今回で一区切りとのこと。その節目と なる個展に立ち会うことができ幸運な思いである。 小鹿田焼の里。集落の中に川が流れ、唐臼の音が 響く憧れの場所。訪れたい思いがますます募る。 坂本工窯は、小鹿田焼の里にある窯元の一つで、 坂本創さんは、当主の息子さん。一子相伝である。 300年も続く小鹿田焼の歴史の中で培われた技法。 刷毛目、飛び鉋、流しかけ。どれも魅力的である。 その