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うつわの魅力は眺めることと使うこと。想像力が刺激される

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うつわの世界は限りない。さまざな技法、窯元の個性、一枚一枚の柄や色、そして焼き加減。同じデザインでも器によって違いがある。
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#ふもと窯

そして小代焼ふもと窯へ

中平窯を後にし、北へと進むと小代焼ふもと窯がある。 ふもと窯の窯元は井上泰秋(たいしゅう)氏。ここに窯 を移されて50年以上経つという。現在は息子の尚之氏 と弟子と共に現役で創作に取り組まれている。現存 する小代焼の窯では、最大級の六袋の登り窯を持ち、 木灰、藁灰、長石等を配合した釉薬が用いられている。 工藝風向で出会った小代焼ふもと窯のうつわ。それは 井上尚之氏によるものであった。小代焼の伝統工法に よるシンプルなデザインのものから、中世ヨーロッパ で生まれた変化に富むデ

工藝風向に立ち寄るほどに

博多の街を自転車でぶらりと散策する時は、工藝風向 へ足を伸ばす。工藝風向では、時々、企画展が行われ、 陶器や民藝品との新しい出会いがある。坂本創さん展 では小鹿田焼の世界が広がった。工藝風向は魅力的な お店。そして立ち寄るほどに少しずつ器が増えていく。 その日購入したのは、井上尚之さんのスリップウェア。 気になっていた器で、以前に購入した器と相性もよい。 そして器は少しずつ増えていく。器が増えれば料理も 楽しいと自分に言い聞かせ、財布の紐を緩めている。 シンプルなデザイ