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建築に込められた想い。時代をこえて受け止めたい

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建築には、それらを作った人の思いが詰まっている。そんな思いを感じることができればと、建築を見に足を運びます。
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2023年8月の記事一覧

生まれ変わった大名小学校の跡地の風景

福岡大名ガーデンシティを訪れた。外観デザインから 内部空間、回遊できる動線。内から外から建物を見ては 楽しんでいる。このプロジェクトの名は旧大名小学校 跡地活用事業。小学校の建物を活用した官民共働型の スタートアップ支援施設「FUKUOKA growth next」や 小学校の校庭を市民の憩いの広場として計画し、大名 小学校の跡地を新しい空間に生まれ変わらせている。 ニュースでも取り上げられていた大名ガーデンシティ 既存の建物や空間を活用した福岡大名ガーデンシティ こち

福岡大名ガーデンシティを楽しもう

刻々と姿を変えつつある天神の街。天神ビッグバン による街の開発は今も進行中だ。今年6月に開業の 福岡大名ガーディンシティは天神の新たなシンボル にもなる建物。分節、スリット、セットバックという デザインにより生まれた大胆な外観デザインに引き込 まれるように内部へ。大名ガーデンシティを楽しもう。 オブジェを見てまわるのも楽しい街歩き ロゴのデザインも建物のコンセプトをよく表している 福岡大名ガーデンシティは新たな天神のシンボルへ 九州初のリッツ・カールトンは国内では6カ

天神といえばビッグバンという名のプロジェクト

福岡銀行本店でひと休みの後は天神の街歩きへ。その 前に、博多の天神の状況について振り返ってみよう。 天神では現在、天神ビッグバンという名の行政主導の プロジェクトが進行中である。規制緩和を活用して 民間ビルの建て替えを促進することで、天神に新たな 空間と雇用を創出するプロジェクトで、2016年から 始まり、2026年の12月完成の建物に適用されている。 生まれ変わりつつある天神の風景 天神で進行するプロジェクとの数々 イムズも解体され、新しく生まれ変わる 中でも第一

大きな吹き抜けの下でコーヒーを

天神駅で降りてまずはこちらへ 箱崎宮前駅で地下鉄に乗り、博多の商業の中心の天神 までやってきた。今日は自転車ではなく博多を徒歩で のんびりとめぐる一日。筥崎宮の花めぐりでしっかり 歩いたので、まずはひと休み。黒川紀章が手がけた 大きな吹き抜けのある屋外空間でコーヒーを頂こう。 福岡銀行本店の大きな吹き抜け。ここは奇跡的な空間 だと思う。黒川紀章が40歳の頃に設計した空間には 緑があふれ、ゆったりとBGMが流れる。コーヒーも 安くておいしい。私にとっての都会のオアシス。日本

橋を越え、地域の交流拠点の建物へ

佐世保市の早岐駅から始まった旅。出番を待ち続ける フェリーターミナル、100年もの時を重ねた無線塔、 新しく生まれ変わるリゾートホテルをめぐってきた。 さて次は、ようやく橋を越えて西海市へ。その橋の名 は西海橋。その先に見えるのは遠くに見た新西海橋だ。 西海橋と新西海橋の様子がよくわかる動画も 1955年に完成した西海橋は、当時東洋一のアーチ橋 と呼ばれたという。西海橋がかかる針尾瀬戸は水深 40mで速い潮流から海中に柱を設けることができず、 両岸からのアーチを中央でつな

100年の時を越える無線塔

日本遺産に登録された佐世保の鎮守府関連の施設 以前の佐世保の旅で、それらの風景に出会った そしてまた佐世保への旅。その時に知った日本遺産の 施設を訪れるのが、今回の旅の目的の一つでもある。 その施設は針尾送信所。日本海軍が日露戦争を契機 として無線連絡体制の強化のため、1918年から4年 もの歳月をかけて完成させた長波送信施設である。 針尾送信所は近代建築の保存等を行うDOCOMOMO にも2009年に146番目の施設として登録されている。 ドコモモに選定された建物を