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ミュージアムへのいざない。アートだけではない楽しみがある

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入り口までの期待感や周りの風景を取り込んでいること、アートの展示だけでないミュージアムの魅力。アートとよい関係をもつミュージアムに物語を感じる。素敵なミュージアムを求め旅に出よう。
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#兵庫県

ものづくりの殿堂にふさわしい空間

竹中大工道具館 2014  竹中工務店 日本で唯一の大工道具の博物館である。 収集された資料は35,000余点にものぼる。 新神戸駅から歩いてほど近くにある敷地は 自然と調和し、周囲の山並みに溶け込んでいる。 和風門をくぐった緩やかなスロープの先に、 むくりの付いた瓦、軒裏の木の色合い、 水平ラインが美しい屋根が見えてくる。 石畳のアプローチはゆるやかに折曲り、 緑と一体となった建物はさまざまな表情を見せる。 階段の端部のゆるやかな立ち上がり、 外構の手すりの支柱を

いつまでも冒険心を持ち続けていたいと思う

植村直己冒険館  設計 栗生 明 1994 兵庫県 豊岡市 植村直己の『知恵と技術』に加え、『ひととこころ』 を後世に伝えるための施設として1994年に開館した。 今年4月にリニューアルしたとのことで、随分前に、 まだ小さい子供達を連れて訪れたことを思い出した。 植村直己(1941-1984 )は、 1970年に世界最高峰のエベレストに 日本人で初めて登頂した人物である。 1984年、冬期のマッキンリー単独登頂後、 下山中に消息を断ち、帰らぬ人となった。 植村直己か