魅力的なキャラクターの作り方②

前回に続き、「魅了的なキャラクターの作り方」というテーマで書き進めて行きます。

悪役(敵対者)なのに惹かれるキャラクターというのは、どうやって成立するのでしょうか?

例えば、『スターウォーズ』のダースベイダーや『アヴェンジャーズ』のサノスを考えてみたときに、下記のような理由が挙げられると思います。

・主体を脅かす強さ。最初は勝てそうにないくらい強大に感じる。
・敵対者ながら、確固たる哲学を持っている。時に共感すらできる要素がある。
・敵対者ではあるが、そこに至る背景や過去に感情移入できる要素がある。
・主体との対決の結果が出る時に、何らかの好ましい変化がある(上記のような明らかになるものがあるのも同様)。

つまり「敵ながらあっぱれ」か「敵ながら同情の余地あり」ということだと思うのですが、これに関しても、「事前」「プロセス」「事後」と分けると考えやすい気がしています。

さらに重要なのは、前回以上に大切になってくるのが、主体との関係性やストーリーに対しての役割分担ということです。

前回、話したのは、そのキャラクターの要素や目的に対して感じられる「期待」とその「結果」に対して感じる魅力の話でした。

しかし今回のケースのような悪役(敵対者)で考えてみるとわかるように、単体のキャラクターとしての魅力だけでなく、主体との関係性が何より重要なことは明らかです。

さらに言えば、それは「ストーリーへの貢献度」のことであり、ストーリーがつまらないのに悪役だけが評価されることが難しいように、ストーリーへの貢献度が高いことが重要で、それは

・いかに主体との関係性において、役割を果たしているか
・ストーリーの「ドラマカーブ」の中で、タイミングよく働いているか

後者はつまり、ドラマカーブの中で上げていく時は上げる役割を全うし、下げる時は下げる役割を全うしているかということです。

これは、ストーリーを通して、受け手(観客、読み手など)の期待に応えるのと同じ意味でもあります。

むしろ、「ストーリーに対する貢献度」が先にあって、その役割を全うするために、キャラクターの要素が作られていくということの方が正しい順番と言えるかもしれません。

この辺り、「ストーリーが先か、キャラクターが先か」というテーマに繋がっていくのですが、次回は、キャラクターを作り上げる要素についてあらためて考察して行きたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?