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アニメ『鬼滅の刃』(シーズン1)を見てその魅力を自分なりに分析して見た。

アニメのシーズン1を見ただけで書くのはおこがましいが、とても感動したのでメモがわりに今思いつくところを書かせてもらいます。(アニメからの印象ですが、原作にはかなり忠実だと思うので、そこはあまり意識せず書かせてもらいます)

■主人公のキャラクター

・物語の構造としては完全に「主体+客体の目的」。主人公が鬼になってしまった妹を救いたいという目的を達成できるか。その思いが切実だから応援したくなる。

・長所「鼻が利く」「努力家」「謙虚」「優しい」
・短所「(しいていえば)妹のことになると見境がない」

まとめ的に言うと、非常に優しく利他的でありながら、強い目的(信念)を持っていることがキャラクターではないか。また「血筋」などを開花する余白に期待が増す(人は好きになってから育ちが良いことはむしろ喜ぶ。逆は妬みが発生する時がある。)。

■「キャラクター」で惹かれたところ

・敵対者:強い敵がいて、障害が高い分だけ期待が高まる。またそちらにも小隊長がいて、組織立っているところが萌える。

・依頼者(客体):禰󠄀豆子(ねづこ)。助けてあげたくなる可愛さもそうだが、実際結構強いというところがなんか新しい?どこかラブストーリーのようにも見えるくらいの近さもポイントか。恋人とかヒロイン位置のようであり、妹であることで「利他性」が強調されている?

・協力者:我妻 善逸(あがつま ぜんいつ)、嘴平 伊之助(はしびら いのすけ)。個性の強い、やや落ちこぼれっぽいがポテンシャルのあるキャラクター性が惹かれる。

・援助者:このポジションが普通の作品に比べてかなり多いのが作品の特徴と言えるか。いわゆる「師匠」的な人。時に厳しく、そして愛を持って育ててくれる姿が素敵。

・犠牲者:犠牲者が多いのは、ジャンルの特徴だが、死ぬ瞬間が印象的。敵方も含めて、それぞれに理由があって「共感要素」が多い。

・狂言回し(トリックスター):主にコメディ部分だが、この役割の人が多いのも作品の特徴か。そして、ずっとこの役割をするんじゃなくて、禰󠄀豆子(ねづこ)や我妻 善逸(あがつま ぜんいつ)、嘴平 伊之助(はしびら いのすけ)など、協力者、仲間たち(時には援助者的な人たちも)がちょこちょこその役割を担っているのが、失敗するとキャラクターを損ねるが、この作品では全部うまくいっている。

■「世界観(設定)」で惹かれたところ

・組織:(日本的、あるいは男性的かもしれないが)階級的な組織構成にワクワクする。新撰組のような個性豊かな柱(小隊長)たちに感じる美学。「継子(つぐこ・次期柱として育成される)」とか「隠(非戦闘部隊)」など設定が細かいほどファンはより萌える。

・力のルール:呼吸法や剣術などにたくさんの「型」があり、それ自体がワクワクするが、そこに東洋的な世界観があり、その奥行きが萌える(多分、これは西洋の人も同様だろう)。

■「ストーリー(構成)」で惹かれたところ

・主人公の成長:剣士として強くなっていくのが単純に気持ち良い。妹に治って欲しいという目的は誰もが応援できる。

・いろんな人と出会い、主人公が成長していく。主人公に影響を与える援助者たちが素敵。

・妹に隠された謎:どうやったら治るのか?そもそも妹だけ特別なのはなぜか?その謎を知りたいと思える。

・「回想」シーンが多いのも作品の特徴。「回想」が説明的過ぎないというか、単なる状況説明以上の情報があり、また回想への入り方がややも唐突すぎるのが絶妙。つまり「無意識」への働きかけが強く「感動」に繋がる。

・キャラクターの役割変化が見事か。それはコメディ部分で落としておいて格好よく決めるとかもそうだし、善逸の気絶するとメチャ強いとかもそう。変化がうまくいくとキャラクターの魅力は倍増する。冨岡 義勇の「敵対者→援助者」の下りもそう(そもそも第一話から援助者ではあったのだが)。

■まとめ

・世界観が重層的でハマりやすい。「組織」の描き方と、東洋的な世界観が魅力を倍増させている。

・援助者が多く、作品の世界観全体に「愛」が溢れている。凛としたキャラクターの内側に切実な思いがあって、それとコメディ部分の両立が秀逸。


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