競馬は思考を鍛えるツール
競馬は「ギャンブル」として取り上げられることが多く、「ギャンブル」だけがひとり歩きをして競馬の本質をメディアが伝えることは多くありません。
正直、「ギャンブル」の要素だけで競馬にハマっている人はごく一部の人たちだけなんじゃないかと、僕自身は思っています。
また、競馬は「ロマン」と言われますが、競馬は人と人の縁があってこそ成り立ち、人と馬も絆で結ばれています。
今日、武豊騎手が近藤オーナーの馬に乗って13年ぶりに勝ちました。絶縁関係だった2人....昨年の11月に近藤オーナーは亡くなりましたが、その時の遺言が「アドマイヤビルゴのデビュー戦は武豊くん」だったそうです。
それに応えるべく、武豊騎手が手綱をとって黄金タッグが復活しました。これは競馬界では驚くべきすんごいニュースなので、思わずTwitterでもツイートしてしまいました。
自分が大切であるものに対しては素直でありたいと思う反面、競馬好きを語り始めると周囲から「気持ち悪い」「うるさい」と言われることも多いわけです。
公の場で競馬を語り始めると、色々とご迷惑をかけることも多そうなので発信できていませんでした。
しかし、今回は競馬について優し〜く書いてみようと思います。
競馬の基本はPDCAサイクル
僕は、単純に馬好きが高じて競馬をはじめた人間なので、「ギャンブル」が優先した競馬のイメージは取り外したい側の人間です。
ギャンブルとは、「より価値のあるものを得ることを目的に、自分にとって価値あるものを危険にさらす行為」のことです。
さらにこの行為に伴う興奮や非現実感を味わうことを目的として競馬をすることを否定するつもりはありません。
では、僕自身、なぜ競馬が面白いのか?をシンプルに考えると、推理であり、PDCAを短期間でガンガン回せるからです。
予想のスタンスは十人十色で、様々な角度から1頭の馬を分析して、レース後はなぜこの結果になったのか?を映像と数字から検証していきます。
ちなみに僕の予想スタイルは「馬を見る」ことです。「馬を見る」ということは、過去のレースを観察するということ。
これは視覚情報と同時に騎手の心を捉えるために過去のレースを客観に徹して観察しています。
予想するレースに出走する馬の前走のレース映像を見て、前走はなぜ負けたのか?なぜ勝ったのか?を解像度を上げて検証することで、いろんなファクターが見えてきます。
そのファクターが今回の条件にもバッチリ当てハマりそうであればその馬を買います。また、今回は前走とは全く異なる条件となれば、好走するファクターにバチッとハマらなければ買いません。
出走する馬の主要なレースを見たあとは、気になる馬に◎○▲と印を打ちます。
競馬は、1着の馬を当てる「単勝」、3着までの馬を1頭当てる「複勝」、1着と2着の馬を当てる「馬連」、3着までの馬を3頭当てる「3連複」など、様々な馬券の種類があります。
予想が上手でも買い方が下手だと的中しないので、馬券選びも重要です。
僕は無駄な馬券は買いたくないタイプなので、印は3つまで。馬券も単勝、馬連、ワイドしか買いません。
馬券を購入したら予想したレースを見て、その結果に一喜一憂するわけですが、競馬はそれで終わりではありません。
レース終了後は、自分の予想した結果がどうしてその結果になったのか?をレース毎に仮説と検証を繰り返していきます。
レース前に予想をして、1分〜2分で結果が出る。その結果(レースの映像)を何度も見て、解像度をあげることで「なぜこの結果になったのか?」がファクターが見えてくるわけです。
僕の競馬ってこの繰り返しなわけです。
最近流行りのOODAループ思考
このPDCAが競馬であれば30分もあればできるし、自分のお金を利用してPDCAを回せるってすごいツールなんです。
ただ、最近はOODAループの方が近いのかな?と思うこともあります。
OODAループとは、Observe(観察)、Orient(状況判断、方向づけ)、Decide(意思決定)、Act(行動)の頭文字をとったもので、「みる」「わかる」「きめる」「うごく」という意味です。
OODAの一度切りの実行ではなく、これを調整しながらこのループを何度も素早く繰り返すので、まさに競馬の予想と同じだなと。
そして、OODAループはActの後にその結果がどうだったかを見直します。これがObserve(観察)に繋がっていくわけです。
出走する馬を見て、勝ちそうな馬を見つけて、本命の馬を決めて、馬券を買う。
この繰り返しなんですよね。
状況をあるがままに観察して失敗したら、現実を受け止めていくことで、経験が蓄積されて「こういうときはこのパターン」っていうのが増えて、競馬での直観力がついてきます。
これが自然と繰り返すことができるようになれば、ビジネスの場でもOODAループ思考で物事を考えられるようになるんじゃないかなと。
競馬の楽しみ方は人それぞれですが、僕は思考を鍛えられるというところもあって、競馬を楽しんでいます。
競馬をつくっている「人」を語っていきたい
競馬への熱い思いはどうしても受け入れられない人が多いので、何かに喩えてライトに語るということが大事かなと思っています。今回はPDCAサイクルと絡めて書きましたが、競馬はもう少し人にフォーカスされるべきだと思っています。
野球もサッカーも競馬も同じスポーツだけど、競馬はなぜか「ギャンブル」にフォーカスされやすく、競馬を作っている人が語られづらいんです。逆に「○円的中!」とか予想する人間や馬券を当てる人間がフォーカスされやすい不思議な世界です。
その人たちは、競馬がなければフォーカスされないわけで、もっと競馬を作っている人たちのことを知ってほしいですね。
野球やサッカーはチーム、人で語られることが多いので、競馬も厩舎(チーム)や騎手、最終的には生産者まで語られる時代になってくれないかと切に願っています。
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