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詩)秋愁 yasuhirom

窓辺に 金木犀の
花の香りが ただよってくる

目を閉じ 深く吸い込めば
かたじけなき涙がこぼれる

 ああ・・・
  わたくしは生きている

聞こえるは 鳥の声
あれは父 あれは母
さえずりは亡くなった者の声だ

 瞼(まぶた)にたまる雫を
  そっと拭おう・・・

秋の日暮れは かけあしに
遠き山の端に 連れ去られ

われ一人 闇にはぐれては
秋の愁いの 虜となる

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