価値提案における3V原則とは〜マーケティング・マネジメント第16版を読む
2022年11月に翻訳版が発表された「マーケティング・マネジメント」第16版を読むながら気づきを書いています。
市場提供物を開発する際には3つの主要な市場主体に対して価値提案ができなくてはなりません。顧客価値、協力者価値、企業価値の3つのことで合わせて3V原則と呼びます。
顧客価値とは、ターゲット顧客がその提供物に認めた価値のことです。顧客は、その製品に対するニーズとベネフィット、代替品とコストのそれぞれを比較して、その提供物を選ぶかの判断をします。
協力者価値とは、企業の協力者(原材料メーカー、販売流通業者、その他その提供物の開発、販売に関与する企業など)にとっての価値のことです。協力者が競合他社ではなく自社に協力することの利点を説明する必要があります。
企業価値とは、企業にとっての提供物の価値です。企業の目標との整合性や他のビジネスとのシナジーなどによって価値が決定されます。
本書においては、顧客、協力者、企業の価値を満たす最適な価値提案(DVP)を行う必要があるとしています。上の図表における3つの円が重なりあったとことです。
マーケティング活動においては、より顧客価値をいかに高めるかに重点をおいています。
そのため、3つの価値のバランスが重要という意味の飲み込みがすぐにはできませんでした。ただ、少し考えてみるとその理由がわかってきました。
まず、企業価値と協力者価値の関係は、現実的にはイコール関係に近い関係にあります。上の図の企業価値と協力者価値の重なりがもっと近いと考えてください。
そして、円の重なりを見つけるのが難しいのが顧客価値です。なぜなら、顧客価値を定義づけるためにはマーケティング視点が必要だからです。
企業価値と協力者価値ありきの状態から顧客価値との重なりを見つけ出すことがマーケターの役割なのだと思います。
顧客価値の重なりを見つけそこにフォーカスしたマーケティング活動を実行することで円の重なりを広げることが可能となります。
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