「グッド・ライフ」を読んで
「人が幸せであるためには人とのつながりが重要ですよ」ということを書いた本です。
こんなド直球なメッセージですから、「言われなくてもわかってるわ」とも思うかもしれません。また、このメッセージひとつために372ページもの文章をつらねていることに意味があるのかと思うかもしれません。
しかし、この本は単なる説教話で終わるものではありません。84年間もの間、調査対象となった人たちを追跡調査した結果得られたエビデンスを持って、人とのつながりがどれほどの意味を持つのかの科学的根拠を証明しています。
学歴やビジネスの成功、名声を得ても「良い人間関係」がないと幸せとは言えない、ということです。
良い人間関係は、放置していると衰えていきます。だから、人間関係を振り返り、つながりを見直さなくてはなりません。それが、ソーシャルフィットネス(=人間関係の健康度)を高めることになります。
自分を捉える人間関係をしっかりと把握して改善の方向性を示してくれるものがソーシャルユニバースです。縦軸に質(元気をもらえる、消耗する)、横軸に頻度(会う機会が多い、少ない)をとって、自分の周りの人たちをプロットしてみます。そして、それぞれの人たちを4章限のどの方向に位置付けたいかを考えるのです。
ソーシャルユニバースを作ってみて、私自身、非常に多くの人との関係性が衰えていることに気づかされました。
そして、関係性に問題が生じたときに感情をコントロールするWISERモデルは、感情的に反応するのではなく、一時休止しながら状況や相手の気持ち、自分の感情の反応を客観把握することの重要性を教えてくれます。
そして、もっとも重要なことは、本書の副題にもなっている「幸せになるのに遅すぎることはない」です。
大事なことは、「注意」と「気配り」です。
毎日、3つのことをほんの少しづつ取り組むことで人間関係を豊かにすることができるようになります。
1つ目は、大事な人に対して、今まで以上に注意を向けてみること。
2つ目は、毎日の過ごし方として、大事な人といるときはスマホを持ち込まない。定期的に会う時間を設ける。
3つ目は、誰かと話すときは好奇心を忘れないこと。
まとめ
幸福であるために最も重要なことは人間関係にある。当たり前のようですが、多くの人の研究の結果から説得力があり、また、方法論についても深く丁寧に教えてくれます。
また、ほぼ毎ページのように心に刺さる一文がありいくつか大事にメモにとっておきました。
人生の羅針盤ともなる良書であると思います。
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