見出し画像

産業財の購買プロセス〜マーケティング・マネジメント第16版を読む

コトラー&ケラー&チェルネフのマーケティング・マネジメントを読みながら気づきを記しています。

産業財市場について今回は3回目になります。

1回目

2回目

今回は生産財市場の購買プロセスについてです。

企業の購買プロセスについては8つのステップに表されています。

産業財とひとまとめにしていますので業界によっては全く違うプロセスを取ったり、これほど精緻なプロセスを取らないケースもあります。
あくまで一般的なプロセスと見るべきです。
一つづつ見ていきたいと思います。

問題の認識

解決すべき問題や満たされるべきニーズがあると社内の誰かが認識した際にニーズが発生します。
既存製品の売上停滞による経営的な判断という時もあるかもしれませんし、営業が顧客からヒアリングした新規ニーズかもしれません。
生産財のマーケターはアンテナを張り巡らせて、ダイレクト・マーケティングによって企業の問題認識を促す責務があります。

ニーズのリスト化

企業が満たしたい特定のニーズと提供物から享受したいベネフィットを明確にします。
企業がその提供物を生かしてどれだけの価値を生み出せるのかを明確にして、ニーズに沿ってリスト化するということです。
マーケターはどのように購買者のニーズを満たせるのかを説明してリスト化に貢献します。

製品仕様書の作成

本書においてはこの段階で購入アイテムの仕様書を作成するとあります。この段階で行うかどうかは企業によっても異なるでしょう。技術チームが製品の価値を分析して自社に採用した際に価値があるのかを分析(価値分析)して、購入するに値するかどうかを判断するということがこのプロセスに当たると考えます。

供給業者の探索

最適な供給業者の探索を行います。製品仕様書の作成の前の段階で行う企業も多いでしょう。ある程度の目星をつけておいて、代替品も含めて総合的な探索を行うと考えると妥当です。

提案書の要請

供給業者に提案書の提出を要請します。よくRFPと呼ばれます(Requesto for proposals)。
汎用品ですと単に見積書の提出依頼で済むと考えると思います。
生産材マーケターはこのタイミングで顧客にわかる形で的確なメッセージとマーケティング提案を行う必要があります。

供給業者の選定

供給業者の選定には多くの人が関与します。製品のベネフィットと価格と釣り合い、評判、企業の安定性、供給業者との関係など、さまざまな要素検討の上で決定づけられます。

過度なコミットメントは避けて、自社の与えるすべてのベネフィットや削減できるコストについて確実に認識してもらえるように努めなくてななりません。

契約交渉

購入が決定したら最終的な注文に至るまでの細部の契約交渉が行われます。営業チームが担う交渉ごとですが、

マーケターは顧客との継続的な関係構築に努めます。市場全体を見渡す立場からできる助言を行います。

パフォーマンスの検討

エンドユーザーからの評価をもとに継続取引や修正、もしくは終了を検討します。
マーケターはこれらの結果に耳を傾けてできるべき対応や成功例を他展開などに活用します。

以上、8段階のプロセスについてでした。

最後までお読みいただき有難うございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?