合格祈願のご利益が高い理由とは 確率加重関数-行動経済学の理解と実践53
学校受験や資格試験の際に神社にお参りして絵馬などに合格祈願をしたことって一度くらいはあるのではないでしょうか?
私もそういう時には割とちゃっかりと神社とかで神頼みしてしまうタイプの人間です。
気持ちの問題ですから、お参りすれば「あとは自分が頑張るだけ」みたい思えるのでいいと思います。
私と同じように神社やお寺の参拝にご利益とか考えない人も多いと思うのですが、行動経済学的にご利益を高いと感じる理由を説明することができます。
確率加重関数です。
確率加重関数とは
確率加重関数とは、プロスペクト理論の中核を担う理論とされ損失回避性とも関係が深い理論です。
損失回避性は、得るうれしさよりも失う悲しさを大きく感じることです。
確率加重関数は、確率に対する主観のゆがみを表すもので、低い確率の時には楽観的になって、高い確率の時には悲観的になることをいいます。
確率加重関数を受験生に当てはめると以下のようになります。
合格確率の低い受験生:楽観的(ヤマがあたれば合格するかも)
→合格祈願に行かない
合格確率の高い受験生:悲観的(当日、実力発揮できないかも)
→合格祈願に行く
ということで、そもそも合格可能性の高い受験生が合格祈願に行くので結果も良くなりご利益があったと思いやすくなるのです。
ビジネスへの応用は?
確率が低いことに対して、楽観的になることによって成り立っているものが宝くじでしょう。
宝くじで1億円当たるのは非常に低い確率ですが、当たったらどうしようって想像することで楽観的になって夢を買いたくなります。
他にも当たり付きの福袋とかも同じことがいえます。
あまり度を過ぎると良くないですが、夢を買いたいと思う気持ちに沿った商品・サービスを考えることは悪いことではないでしょう。
まとめ
確率を歪めて捉えてしまう確率加重関数について説明しました。
自分ごととして捉えた場合には、確率加重関数の理論を知っておいてそれでも夢を買いたい、神様にお祈りすることで心の落ち着きを得たいと思う気持ちがあればいいのだと思います。
参考文献はこちらです。
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