解釈レベル理論とは何か?-行動経済学の理解と実践55
ちょっと昔の話ですが、プロみたいな写真が撮りたいと思って一眼レフのカメラを色々と調べていたことがあります。せっかくだからしっかり腕を磨こうと思い高性能のカメラを中心に見ていたのですが、いざ買いに行こうと思う段階に至って、やっぱり使い方とか難しいよなとか、そもそもレンズも何個も買うとなると予算が、、とか結局色々な理由で怖気付いて買えなかったことがあります。
解釈レベル理論はこのような私の体験を説明してくれるものです。
解釈レベル理論とは
解釈レベル理論は、人々が対象や出来事に対して感じる心理的な距離の遠近によって、捉え方が変化することを説明したものです。心理的な距離が遠いほどより高い目標を目指し、距離が近くなると目標のレベルが低くなります。
解釈レベル理論は、行動経済学と近しい消費者行動学で論じられる理論とされています。
距離が遠くなると、「なぜそれを目指すのか」という「そもそも論」的なところに目がいき、距離が近くになるに従って「どうやって到達するのか」という「方法論」的なところに主眼が置かれます。
心理的な距離には様々な種類があります。上の例は時間的な距離ですが、他に、空間的距離(1km離れているところと10km離れているところ)、社会的距離(人物に対する身近さや縁遠さ)、経験的価値(実際に触ったことがあるか)、仮説的距離(100%の確率で貰える景品と50%の確率で貰える景品)などがあります。
マーケティングへの活用は
マーケティングコミュニケーションにおいて、解釈レベル理論は様々な活用が可能です。例えば、時間的距離が遠いと考えられる顧客の興味を引く段階では、機能の良さや達成される成果の良さを訴求し、購入段階に近づくに当たって、ポイントプログラムやキャッシュバックなど、購入に当たっての障壁を低くするような点をアピールします。
まとめ
心理的距離感に応じて目標の捉え方が変わる解釈レベル理論についてでした。消費者行動学において、比較的新しいアプローチとされており今後さらに知見が深まると思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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