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気分がアガるリップスティック効果とは

不景気になると口紅の売り上げが伸びるという話があります。

ボストン大学のジュリエット・ショア教授が1988年に出版した本の中で紹介したのがはじめで、アメリカでは2001年の9.11の同時テロ事件の後や、2008年のリーマンショック後の不況の際も、口紅の売上が伸びたそうです。

コロナ禍も欧米では口紅のネット販売は伸びていたというデータもあります。

理由としては、不景気の中で「女性的な魅力を高めて異性に対して魅力的に見せたい」という意欲が高まるという仮説があります。昔の感覚でいうところの「玉の輿」を狙うということなのですが、この仮説は今の消費者心理を反映しているとは思えないです。

もっとも当てはまると考えられる理由は、「不景気のどんよりとした中で手の届く贅沢品を身につけることで気分をアゲたいから」からです。

日本でも日用品や外食の「プチ贅沢品」の売り行きが良いという話をよく耳にします。これまで、高級な日用品は自分で買うものというより、友人へのちょっとしたプレゼントに利用されることが多かったです。最近は自分で購入することが多くなっているようです。

インフレの影響もあって自動車などの高級品はさらに価格が高騰しています。独身の方が、ちょっとローンを組んで買おうと思いにくいレベルかもしれません。また、シェアリングやサブスクリプションビジネスもいろんな分野に広がっており、所有から利用へ消費の形態も変わっています。

上記のようなトレンドもあり、今後も大きな買い物ではなくプチ贅沢品の市場は広がっていくのではないでしょうか?

最近CMで見かけるカレーライスのCoCo壱の期間限定「The 牛カレー」もプチ贅沢品ですね。

通常のビーフカレーが718円で、The 牛カレーは1,030円ですから1.5倍弱です。
私はまだ食べたことないのですが、期間中に一度は食べて見たいと思っています。プチ贅沢は、一度体験してみようと思えるくらいの出費で少しの高揚感を与えてくれるというのが特徴です。

まとめ

リップスティック効果からプチ贅沢品市場の拡大へとつなげて考察しました。

価格競争の激しい市場の商品では少しでも価格を下げる努力をして凌ぎを削っています。そのような商品でも少しだけ顧客の気分を上げるような贅沢仕様の製品の需要があるかもしれません。

一度、見方を変えてそのような製品の開発に取り組んでみませんか?

最後までお読みいただきありがとうございます。

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