細かな目標設定が大きなゴールへの道しるべ エンダウド・プログレス効果-行動経済学の理解と実践20
小学生の夏休みの思い出の一つが、町内会の朝のラジオ体操のはんこカードです。皆勤すると何かいいものがもらえるということで、最初の数日間は頑張って早起きしてましたが、いつも3日坊主で終わってました。
私の周りの友達はほぼ全滅でしたので何がもらえたのかは今でも定かではないです。でも、友達の友達の友達くらいの子が景品もらったみたいな噂を2学期になって耳にすると「がんばって行っとけばよかったなぁ~」みたいな淡い後悔を抱くのが秋の恒例の心理イベントでした。
夏休みは40日もあるわけですから、脱落者に再度チャンスを上げるとか、もう少し寛容な目標設定があった方が良かったよな、って思います。
最近でもあるのか、私の子供はそもそも最初から興味すら抱いてなかったので知る由もないです。。。
今回は、小刻みなゴールを設定することの意義を説明するエンダウド・プログレス効果についてです。
エンダウド・プログレス効果とは?
Endowed Progress とは授けられた進捗という意味で、ゴールに向かって少しづつでも進んでいる実感が与えられるとやり遂げようというモチベーションが向上することをいいます。
勉強でも仕事でも大きな目標を設定して(たとえば、東大合格とか)努力が続く人はいいですが、先が見えなくなると心が折れてしまいかねません。
たとえば、2‐3か月置きにマイルストーンを設けて、この地点ではこの程度の点数を目指そうというような小さな目標を一つ一つクリアしていくことで、やる気が維持できるようになります。
ポイントカードの実験
アメリカの大学の大学教授がエンダウド・プログレースについて面白い実験をしています。
以下に2つのポイントカードがあります。
どちらも8つのポイントを集めることがゴールですが、右側にはすでに2つのポイントが印字してあります。
合理的にはどちらも同じ8つのポイントがゴールですので達成率に差がないようですが、右側のカードのゴール達成率は有意に上昇したそうです。
右側のカードにはポイントが2つ与えられていると感じることで、ポイントを失いたくないという保有効果も働いています。
エンダウド・プログレース効果はポイントカード以外にもマーケティングへの応用が可能です。スポーツクラブや習い事などの継続率向上には最初に達成しやすい緩やかなゴールを設けて小さな成功の積み重ねを作ってあげることですね。
他にも、アプリでゲーム要素を取り入れるとか色々と応用が可能です。
まとめ
エンダウド・プログレス効果は人事考課の個人の目標設定でも重要な観点とされています。顧客、チームメンバー、そして、自分自身にも小さな目標を細かく設定してあげましょう。
「小さいことからコツコツと」って、漫才師出身の元政治家が言ってましたね。(古っ)
最後までお読みいただき有難うございました。
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