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顧客マインドのスイッチを見極めよう プライミング効果-行動経済学の理解と実践19

マクドナルドのポテトは赤色の紙の箱(袋?)に入っていますよね。あの箱に入ったポテトと白色の箱のポテト(中身はどちらもマクドナルド)を食べ比べの試験をすると圧倒的に赤色の箱の方を美味しいと答えた、というテスト結果があるそうです。しかも、あの箱にニンジンが入っていても美味しいと答えた子供がいたそうです。

食欲を誘う暖色系の色ということもあるのでしょうが、主に考えられているのは過去に食べたマクドナルドのポテトが美味しかった、という記憶によるものと言われています。

今回は、上記のマクドナルドのポテトの箱の記憶が現在の行動に影響を与えるプライミング効果についてです。

プライミング効果とは?

プライミング効果とは、過去に経験した情報や印象が無意識に後の行動や判断に影響を与えることを言います。

プライミング(priming)には、点火薬・起爆剤という意味があります。

類似のものとして、サブリミナル効果があります。両者の違いは、過去の経験が無意識(サブリミナル効果)か意識があった(プライミング効果)かです。

ちなみに、サブリミナル広告というものが問題視されたことがありましたが、現在ではその効果自体があまり認められないということで関心を持たれなくなりました。

朝のテレビの情報番組でラーメンの特集を見て、ついついランチでラーメン屋に行ってしまった、というのもプライミング効果の一例です。

では、プラミング効果をマーケティングにどう生かすか考えましょう。

スイッチを見つける

顧客にとって何が点火薬となっているのかを見極めましょう。いい商品でも顧客のスイッチが入らない限りその価値が認められません。

スイッチの場所がわからずに開発に苦労した例としては、日清食品さんの「カップライス」があります。

今では「カレーめし」などヒット商品となっていますが、開発にはかなりの苦労があったそうです。電子レンジで温める必要があった「Gofan」は、お湯をかけるだけで3分でできる「カップヌードル」とのイメージの乖離があり受け入れられませんでした。どうしても消費者のマインドにスイッチが入らなかったそうです。

まずは、顧客のマインドの中のスイッチを知ることが重要です。

習慣化に取り組む

次に取り組むこととしては、顧客の中に新たなスイッチを作ることです。

スイッチ作りに取り組んでいる例として、現在、サンスターさんが発売中のデンタル商品の「ナイトケア・リンス」があります。

食後や夜寝る前の歯磨き習慣は、かなりの人に根付いていると思います。デンタルリンスの習慣はごくわずかでしょう。サンスターさんは朝起きた時の不快感の解消というニーズにフォーカスし、夜寝る前のデンタルリンス習慣を根付かせることに取り組んでいます。イオンなどで買い物をしていると頻繁に当該商品のクーポンが発行されています。クーポンからも消費者の習慣化への思いが見て取れます。

まとめ

過去の経験が将来の行動に影響を与えるプライミング効果とマーケティングへの応用について説明しました。
ところで私も最近イオンのクーポンの影響ですっかり寝る前のデンタルリンス習慣が身についてきました。クーポンという損失回避性のワナにハマっています。

最後までお読みいただき有難うございました。


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