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学校の怪談

 

 怪談好きの子どもたち

 これは私が勤めていたある学校での私が体験した実話です。
 学校は子どもたちに科学的に物事を教えていく場所です。教えるばかりではなく、児童自らが学んで、考えて力をつけていく場所でもあります。
  したがって非科学的なことは授業では取り上げません。幽霊や怪談の類は学校で取り上げません。教員は非科学的な話はしません。
 なのに、小学校の特に高学年の子どもたち、特に女子がこの手の、非科学的現象、いわゆる心霊現象や幽霊、怪談の話が大好きです。毎年高学年の子どもは変わって行くのに、なぜかまたまた、誰語り継ぐこともなく。
「理科室の壁に人の顔浮き出るんやて。知ってる?」とか
「この学校の建つ前はここお墓やったの知ってる?」とか
 その手の話はつきません。
 ただ確かに夜の学校は、夜8時ころ、自分が教室で成績つけしていると、誰もいない教室や廊下はシーンと静かで、物音せず静かで気持ち悪いです。
 運動場側の上窓をボ~と見ていると突然、でかい顔が現れてケタケタ笑う!、ぎゃっ、ゾ〰として、ブルブル頭を振って妄想を辞める私がいたりしていました。
 私は怖がりの方ではないし、おばけ、幽霊のたぐいは見たことがないので今のところ信じていませんが、嫌いじゃない方です。出会ったらいいなぁ。
 そんな私が学校で一番怖いと思うときは、夜九時、仕事を終えて、教室締めて、電気消した時、真っ暗闇になった廊下、その中職員室に帰る時です。
 これは怖い。人が作ったわざとのお化け屋敷よりよっぽど怖いんです。
 冷たい空気の暗い廊下を歩いていると後ろに誰かいるよな気配がして、絶対後ろを振り向かずに急いで職員室に戻ったものでした。
 

さて、ここからが本番です。


 そんな怪談好きの子どもたちや怖がりの私の話は置いといて。ここからが本番です。
 私を含めて他の先生方は本当に理科や算数は勿論、科学的に物事を教えていらっしゃるのですが、そんな方々の職員室話のなかで、普通に真顔に怖い話をされます。これは私が聞いた本当にあった怖い話を真面目に普通に話された先生方のお話です。何度も言いますが普段はホント普通の先生なんです、だから怖い。突然、普通の口調で真顔に話をするから怖い。
 教頭先生の話
 ある日、家庭科の時間、私は家庭科の先生に授業をしてもらっているので、職員室でテストの丸打ちをしていました。職員室には自分と教頭先生の2人いるだけ。職員室も静かでした。丸打ちが終わる頃です。

「・・先生(私のことです。)、児童館の二階の踊り場の話知ってる?」
教頭先生がいきなり話しかけてきました。
「なんの話ですか。」
「知らんねな、彼処、出るんやで。」
「出るって。なんですか、おばけとかですか。」
「そう、二階の集会所に入るところに八畳ほどのフロアあるやろ。」
「はい。」
「あの西北の角に天毬ついた女の子出るんやで。」
「え~うっそ~。急に先生何云わはるんですか。」
「いやいや、ふと思い出してなぁ。わしも見たことあんねん。」
「わしのときはなんか黒いゆらゆらしたもんやったけどな。」
【児童館とは全国各地にあるいわば放課後、児童が集まって遊んだり、地元のおはなし会のときに使ったりする、社会協議会の会館のことである。会館の中に含まれている場合と独立して児童館として作られている場合がある。】
「**先生(年配の先生)は昔から見える人で女の子をはっきり見たらしい。児童館の人も見た人いてるらしいよ。」
 私も児童館へは何度も言っていたのだが、そんなはなしは聞いたことがなかった。
「いつから出るんですか。」
「いや、もうだいぶ前かららしいで、御札貼ってあるから。今度行ったら見てみたら?」
後日、児童館に行くことがあったので、二階の踊り場に上がってみたら、天井に近いところに目立たないけどそっと御札が貼ってあった。私は(公共施設なのにいいのかな?)と思いながらその御札を眺めていました。今はどうなっているのわかりませんので悪しからず。

たまたまな学校だったのか?それともみんな黙っているのか


 そんな話をしていると、保健室の先生が職員室に入ってきた。教頭先生が
「あ、++先生(養護教諭)、今・・先生と幽霊話してるんやけど。++先生もこの前、保健室に子どもの幽霊出るっていうてたなぁ。」
 養護教諭の++先生は普段から真面目で優しいので子どもたちに人気の先生である。++先生までもそんな話するのか。と思いながら++先生の話を聞いた。
「あ~はいはい、いますよ、朝、保健室のベットのシーツと布団を干そうと、掛け布団、敷布団を剥がしたら、ベットの下に男の子がしゃがんでします。」
「はじめ低学年の子が、遊んでいると思ったんだけど、鍵開けて、掃除はじめなんで潜り込むわけもないので。」
「ぎゃ~って叫ばなかったんですか、先生。」
「はじめは、メッチャ怖かったけど、慣れたわ。何時しか消えてるしね。」
 真顔で話しをなさるので、私はそこで、丸打ち作業に戻りました。
 こんな話は子どもたちにはしていません、勿論、養護の先生も、教頭先生も同じです。
 その他、学校での怪談ではありませんが、その職場で一緒に務めていた釣り好きの先生が夜釣りはしないと言っていました。なぜなら夜明けの朝方ふと気がつくと自分の横に右左に釣り人がいるそうです。あれ?一人で来たのに、はっきり気配がわかるのですがいつから横で釣っているのかわからない。
 そこでは、その左右を振り向く勇気がなかったそうです。その人達は太陽が登ってくるといなくなったそうです。気のせい?って聞いたら。わからん!と言っていました。
※自分の務めていた学校がたまたま幽霊が見える人が多い学校だったのか、はたまた、みなさん非科学的なので黙っておられるのか。信じるも信じないのもあなた次第です。


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