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16.今を生きるイタリア・プログレ界の伝説 = PREMIATA FORNERIA MARCONI (PFM)

PREMIATA FORNERIA MARCONI (PFM)は1970年にイタリアで結成されたイタリア・プログレの伝説的バンドです。1973年に英国の大物プログレッシブロックバンドであるEL&Pの前座を務めた際グレッグ・レイクに注目され、EL&Pが主宰していたマンティコアレーベルから英語盤「幻の映像」にてデビュー。世界的な知名度を獲得します。ちなみにPremiata Forneria Marconi(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ)というのは直訳すると「素晴らしいパン屋マルコーニ」です。北イタリアのブレッシアにあったマルコーニというパン屋のチェーン店から命名したとか。バンド練習時とかによく食べていたんですかね。

PFMは2019年現在も活動中で、息の長いバンドです。イタリア・プログレは息が長い活動をしているバンドが多いのも音楽ジャンルの特徴かもしれません。他にもイタリア・プログレの黄金期ともいえる70年代に結成され、現在も活動しているバンドをいくつか紹介しましょう。

BANCO DEL MUTUO SOCCORSO、通称「バンコ」は、直訳すると「共済銀行」という意味。1972年デビューで、ヴィットリオ(兄)とジャンニ(弟)のノチェンツィ兄弟が中心となって結成されました。2014年に中心人物の一人であるジャンニが交通事故で亡くなるという悲劇を乗り越え、2019年には25年ぶりの新曲によるスタジオアルバムをリリースしています。

OSANNAも1971年にデビューした歴史の長いバンドです。1979年に一度活動を休止しましたが1999年に復活し、現在も活動中。演劇的というか起伏が激しい曲構成が特長です。

Museo Rosenbashは1973年のアルバム「Zarathustra(ツァラトゥストラ)」1枚で伝説になったバンドです。このアルバムを残してバンドは一度解散しますが、その劇的なサウンドは時代と共にイタリアンプログレの名盤として評価が高まり、1999年に再結成して現在も活動を続けています。

LE ORMEは1960年代後半から活動し、69年デビュー。PFMと並んでイタリア国外でも成功を収めたバンドです。1973年のアルバム「Felona e Sorona」はVan der Graaf GeneratorのPeter Hammillによる英語詩の英語盤「Felona and Sorona」も作成され、Genesisなどを擁したカリスマレコードから1974年に発売されました。

プログレッシブ・ロックという音楽ジャンルは60年代に英国で発生し、同時多発的に世界に広がっていきましたが、中でもイタリアのプログレ・シーンは独特の発展を遂げました。イタリア・プログレはダイナミズムが強く、また、歌のメロディーと求心力が強いのも特長です。やはりオペラやカンツォーネなど、ドラマチックで歌曲主体の音楽文化から出てきた出自を感じさせます。


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