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79.HR/HM黄金期(83'-90')を振り返る10曲:ドイツ編

83-90年、HR/HMのアメリカにおける商業的黄金期の振り返りも最終回、ドイツ編です。ドイツは欧州のHMの中心地。UKは「ロックの中心地」ではありますが、メタルの中心地はドイツ。それは商業的にもトレンド的にもそのようです。今回の企画を通じておそらくその立ち位置は90年代以降に確立されたと思うようになりましたが、80年代からドイツにはメタルシーンが存在しました。それらの先駆者たちをたどっていきましょう。

83年ー90年はUSにおけるメタルの(商業的な)黄金期という定義ですが、ドイツのバンドは一部の例外を除いてUS進出を前提としていないようにも思います。特に、90年代以降はその傾向が強い。USでメタルが下火になっても欧州はメタルが盛ん、むしろ中心地的な立ち位置になっていった。それはドイツが中心となって支えたような気がします。今回、83年~90年を振り返って思うのが、2021年現在、メタルの中心地であるUS、UK、北欧、ドイツのそれぞれの地域性が色濃く出たのはむしろ90年代以降なのだろうということ。80年代は、USに進出することがメタルバンドのメインストリームであったのだろうと感じます。90年代、USの扉が閉ざされたことによってむしろ各地域でメタルが盛り上がり、それぞれの地域性を活かしたサブジャンルが発達していった。

とはいえ、その萌芽や各地域の特異性は80年代にそのルーツがあります。それでは90年代の欧州メタルの中心地、ドイツの80年代を見ていきましょう。



1.Accept / Balls To The Wall (1983)

ジャーマン・メタルの雄、Accept。1976年結成、1979年デビューの非常に歴史が古いバンドで、スコーピオンズと並んでジャーマンメタルの祖と言えるバンドです。特異性のある声、モーターヘッドレミーを上回るダミ声で、ミドルテンポでじっくりと攻めてくる重厚感のある音像を作り上げました。バンドのボーカルであるウド・ダークシュナイダーは「軍曹」の綽名でも親しまれました。確かに鬼軍曹っぽい。メンバーは大きく二つに分裂したものの本家Accpetもギタリストのウルフ・ホウマンを中心に現在も活動中。この「かっちりした感じ」がジャーマンメタルの特性であると同時に、パワーメタルの祖とも言われます。ウルフ・ホフマンはクラシックの影響が強いギタリストでオーケストラとの共演なども実施。UKからの影響も受けつつ、独自の音楽性を作り上げた先駆者です。

なお、タイトルの「Balls To The Wall」は壁に球を投げつける、壁を壊そうと努力する、という意味。91年に冷戦で大きく欧米世界のパワーバランスが変わるわけですが、その渦中はドイツ。1983年時点でWallと言えばベルリンの壁ですね。

収録アルバム 「Balls To The Wall

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2.Michael Schenker Group / I'm Gonna Make You Mine(US Version) (1983)

悲劇のギタリスト、Michael Schenker(マイケル・シェンカー)、悲劇というか本人がかなり不安定な人で、確かなギターテクニックと泣きメロの才能を持ちながらバンド活動が安定せず、今一つ世界的な商業的成功をつかみきれなかった人です。Scorpionsルドルフ・シェンカー(Gt)の実弟で、17歳の時にScorpionsのギタリストとしてキャリアをスタート。その後UKのUFOに参加し、ロック史に残る名曲「Doctor Doctor」を生み出します。その後いろいろあって1980年代初頭からMichael Schenker Group(M.S.G.)で活動を開始。元Rainbowグラハム・ボネット(Vo)や、メタル界屈指のドラマーであるコージー・パウエルを迎えて作品を作りますがその体制は長く続かず、再びゲイリー・バーデン(Vo)を迎えて制作された4thがこちら。アメリカ市場をかなり意識した内容となっており、先にリリースされたUK盤からミックス、曲順、一部はボーカルや演奏まで差し替えたUSバージョンを制作する力の入れ具合。こちらはUS盤の1曲目を飾る曲(UK盤では2曲目)。ギターの音がやや控えめになり、キーボード(シンセ的な音)が前面に出ています。マイケルらしい泣きメロと、当時のアメリカを意識した音作りがマッチした1曲。結局この後マイケルシェンカーグループは解体、ボーカリストにアメリカ人のロビン・マッコーリーを迎え、「McAuley Schenker Group」として再出発し、スマッシュヒットを飛ばします。その後またいろいろな苦労がありましたが現在は過去に共演したボーカリストたちが一堂に会したMichael Schenker Festで活躍中。

収録アルバム 「Build To Destroy

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3.Sinner / Danger Zone (1984)

Sinnerはベース・ボーカルのMat Sinnerによって1982年結成、デビューのバンドです。マニア受けしながらも今一つ商業的成功を収められず、ドイツメタルシーンの中堅バンドという立ち位置でしたが、元Gamma Rayラルフ・シーパーズとマット・シナーが1997年に結成したPrimal Fearによって欧州ではトップバンドの仲間入りを果たしました。それ以降はSinnerがサブバンドの扱いになってしまいましたが、曲作りの才能は確かなものがあり、ジャーマンメタルシーンにとって重要な役割を果たしたノイズレコード(いろいろ確執はあったものの初期Helloweenも所属。当時はメタルシーンがほぼなく、ドイツでメタルを扱っていたレーベルはノイズレコードが中心)のレーベル立上当時の看板バンドでもありました。このアルバムでは全米進出を目論み、かなりアメリカナイズされたサウンドながら、Judas Priest的なパワーメタルを奏でています。アルバムの表題曲でもある本曲は名曲。マット・シナー自体はThin Lizzy色が強い人で、日本ではこの次のアルバム「Touch of Sin (1985)」がその色が濃く、日本盤もリリースされ名盤と言われています。

収録アルバム 「Danger Zone

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4.Scorpions / Rock You Like A Hurricane (1984)

メタルより前の世代から活躍するScorpions。ジャーマン・ロックを代表するバンドです。1965年結成、1972年デビューで、1982年発表の8th「Blackout」では全米10位に入るヒットを記録、その勢いに乗って1984年に発表されたのが9th「Love at First Sting」で、全米6位まで上がるヒット作となりました。1980年代からHR/HMシーンのトップバンドとして現在まで活躍中。Lemmyの死後、活動停止したMotorheadミッキー・ディー(Dr)がScorpionsに加入したことも記憶に新しいニュースです。最初期は先述のマイケル・シェンカーがリードギタリスト、2代目ギタリストはUli Jon Roth(ウリ・ジョン・ロート)で、この時代に独自の音楽性を確立しますがだんだん音楽性が合わなくなり脱退。マイケル・シェンカーとウリ・ジョン・ロートは伝説的なギタリストであり、人生も波瀾万丈です。3代目ギタリストのMatthias Jabs(マティアス・ヤプス)が1978年に加入してからはギタリストが安定。音楽性も独自の泣きメロは含みながら音作りをアメリカ市場に合わせていき、世界的成功をつかみます。1991年にはベルリンの壁崩壊を歌った「Wind Of Change」が米欧を中心に世界中で大ヒット。90年代のハードロック低迷期も(一時期活動規模は縮小するものの)乗り越え、2010年の引退ツアーも撤回し現在も活動中。

収録アルバム 「Love at First Sting

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5.Grave Digger / Heavy Metal Breakdown (1984)

ジャーマン・パワー・メタルにおいてAcceptと並び創成期から活動するバンドの一つがGrave Digger。1980年結成、1984年デビューで本曲はデビューアルバムのタイトルトラックです。N.W.O.B.H.M.の影響を受けつつ「ジャーマンメタル」の特異性、より激しく重厚・疾走感があり、メタリックな質感を持った音像が確立していく過程で生み出された曲。この後、アメリカ市場を狙ってVan Halenのような路線に変更し、80年代中盤に一度失速・解散しますが90年代に再始動。現在まで変わらずジャーマンメタル界の重鎮として活動中。個人的に「ジャーマンメタル」とか「正統派メタル」と言ったときに想起する典型的なサウンドはGrave Diggerだったりします。Scorpionsはその前のハードロック、クラウトロックの流れを感じるし、Acceptはボーカルが強烈すぎる。HelloweenRageはメロディラインが特異だし、一番王道というか、ど真ん中で中庸なのはGrave Diggerかもしれないなと。ちなみにこの曲は2015年に再録されており、そちらはかなりかっちりした2010年代のメタリックなサウンドに変わっています。

他にジャーマン・パワー・メタルの創成期から活動するバンドとしてはRock'n'Rolf(Vo,Gt)率いるRunning Wildがいます。こちらは海賊をテーマにした世界観でいわゆるパイレーツメタルの先駆者。ノルウェーのBathoryが作り上げたバイキング・メタルとは少し違う流れながら、UKのAlestormにも影響を与えた気がします。また、Steeler(イングウェイ・マルムスティーンが在籍したアメリカのバンドとは別)というバンドも80年代初頭から活動しており、こちらは解散後、リーダーのAxel Rudi Pell(アクセル・ルディ・ペル)が1989年から現在までジャーマン・メタル界の重鎮として活動中。80年代初頭から活動しているジャーマン・パワーメタルの先駆的なバンドはAcceptGrave DiggerRunning WildAxel Rudi Pell(Steeler)あたりです。そうしたシーンを代表する曲としてこの曲を選びました。

収録アルバム 「Heavy Metal Breakdown

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6.Kreator / Pleasure To Kill (1986)

アメリカ編でも取り上げたThrash Metal。源流はUKのMotorheadRaven、そしてUKハードコア(Dischargeなど)でしょう。従来のHR/HMから贅肉をそぎ落とし、ひたすらソリッドに疾走していく。そのシーンはUSだけでなくドイツにも飛び火し、ジャーマン・スラッシュと呼ばれるバンド群が次々とデビューしました。代表的なバンドがKreator、1982年結成1985年デビュー。本作は1986年リリースの2ndアルバム。Kreatorはその後大成していき、2017年のアルバム「Gods of Violence」ではドイツナショナルチャートで1位、ビルボードでも17位に入るほどのビッグバンドとなります。こちらは初期からライブには欠かせない代表曲。USスラッシュよりもハードコアに近い直情的な疾走感があります。同時期にデビューしたバンドでDestruction(1982年結成1985年デビュー)、Sodom(1981年結成、1984年デビュー)がいます。日本では「ジャーマンスラッシュ三羽烏」と言われたり。他にTankard(1982年結成1986年デビュー)も加えて「ジャーマン・スラッシュ四天王」と呼ぶ場合もあります。そうしたジャーマン・スラッシュ・シーンの黎明期を代表する曲としてこちらを選んでみました。

収録アルバム 「Pleasure To Kill

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7.Zeno / Eastern Sun (1986)

ScorpionsUli John Rothの実弟Zeno Rothが率いるZenoのデビュー作。当時EMIが欧州新人バンドとしては破格の契約金でデビューさせたことで話題になったそうですが当時は期待されたほどの商業的成功は収められずバンドは解散。ただ、その後Zenoのメンバーを中心にFair Warningが結成され、ここ日本でも大きな成功を収めます。US市場の制覇はできませんでしたが、こうしたメロディアスなバンドが「ジャーマン・メタル」の一側面、Scorpionsを源流としたユーロ・ロック的なメロディセンスもドイツのバンドの魅力です。1980年代の煌めきを感じさせるバンド。

収録アルバム 「Zeno

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8.Helloween / Future World (1987)

「ジャーマン・メタル」を代表するバンド、日本で一番知名度が高いと思われるHelloween。1984年結成1985年デビュー。本作は1987年リリースの2ndアルバム「Keeper Of The Seven Keys Part 1(守護神伝1章)」からのナンバーで、マイケル・キスク(Vo)加入後初のアルバムでもあります。このアルバムでメロディック・スピードメタル、いわゆるメロスピの音像、イメージを確立します。この続編ともいえる「Keeper Of The Seven Keys Part 2(守護神伝2章)」を翌1988年にリリース、もともと1つのアルバムとしてリリースしたかったものを2枚に分けてリリースしたとのことで音像的には似たコンセプト、どちらも変わらぬ名作で、メロディアスでパワフル、どこか親しみやすさもあるという特異なメタルを確立。「ジャーマン・メタル」と言えば守護神伝を思い浮かべる方も多いでしょう。その後紆余曲折ありボーカルの交代や、創設者であるカイ・ハンセン(Gt)の離脱もありましたが、2016年からマイケル・キスクカイ・ハンセンがバンドに復帰、ダブルボーカル、トリプルギターの7人編成となり、2021年に現編成で初のアルバムをリリース予定です。2021年、ジャーマンメタルの話題の中心にいるバンドでしょう。

収録アルバム 「Keeper Of The Seven Keys Part 1

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9.Rage / Don't You Fear The Winter  (1988)

Rageもジャーマンメタル黎明期から活躍するバンドで1984年結成、1985年デビューのAvengerが前身。1986年にRageと改名し、現在までコンスタントに活動中です。スラッシュ的な爆走感、疾走感を持ったバンドで、特徴は長いキャリアのほとんがトリオ編成、Motorhead的なシンプルな暴走ロックンロール的なバンド構成を持ちながらメロディがどこかひねりがある、パンキッシュな側面とメロディアスな側面、スラッシュメタルの音像を併せ持った独自の世界観を持ったバンドです。メタラーにRageというとこのバンドのことかUSのRage Ageinst The Machineか、迷う人が一定数います。私はドイツのRageが思い浮かびますね。一度聞くと耳に残る独特のフックがある曲を生み出すバンドで、この曲などはその典型。

収録アルバム 「Perfect Man

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10.Blind Guardian / Lost In The Twilight Hall (1990)

ジャーマン・パワーメタルを進化させたBlind Guardian。1984年結成、1988年デビューで、壮大なファンタジックな世界観、雄々しいクワイアコーラス、めまぐるしく移り変わる曲展開ながら冗長ではなくずっとメタル的なアグレッション、スピードメタル的な疾走感を持ったまま突き進むという発明。もっとも程遠いところにあったハードコアの直情とプログレの複雑さを組み合わせて提示してみせたパラダイムシフト的なバンドです。この後、トールキンの「指輪物語」をテーマにしたコンセプトアルバムを出したり、オーケストラと共演したり、より壮大でファンタジックな方向へ突き進みながら欧州メタルの大御所として現在も活躍中。ライブだと大合唱が起きることでも有名なバンドです。様々なボーカルラインが絡み合うし、それぞれが合唱しやすいパートを持っている。メタル音楽特有の「連帯感」を強く感じさせるバンドです。

収録アルバム 「Tales from the Twilight World

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以上、ジャーマンメタルの10曲でした。ドイツは欧州メタルの本拠地にして中心地。さまざまなサブジャンルも芽生えていますが、どこか硬派というか、直情的、アグレッションが感じられるバンドが多かった印象です。80年代中盤はアメリカ市場進出を目指しキーボードを前面に出したバンドもいましたが、ある時期からより独自性の強い音像になっていったというか、国内市場や欧州市場にフォーカスを絞っていったのかもしれません。なんだかんだメロディアスなバンドが多いのも特徴。北欧メロディとはまた違いますが。きちんと音楽的に完結する、かっちりした進行やメロディが多い印象です。クラシカルとも言える。

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90年代の社会変化、と言うことで言えば、冷戦終結の影響を最も色濃く受けた国の一つでしょう。何しろソ連崩壊の引き金は1989年11月9日のベルリンの壁崩壊に端を発する東欧革命ですから、まさに変革の中心。ドイツは東ドイツが西ドイツ(ドイツ連邦)に加入する、という形で1990年10月3日に再統一を果たす。社会情勢も大きく変わっていきます。Acceptが83年にBallsを打ち付けた、抑圧や権力の象徴である「Wall」が崩壊しました。ちなみに元Pink Floydロジャー・ウォーターズが伝説的な「The Wall」再現ライブ(1990)を行ったのもベルリン。Scorpionsも参加しました。80年代後半は急激に変化していくドイツ社会だったわけです。

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今回、4か国を振り返ってみて思いましたが、やはり80年代のアメリカの影響は大きい。世界的成功を求める、メジャーレーベルと契約して一定以上の規模で活動しているバンドは全体的にシンセ・キーボードの導入とメロディアスなコーラス、ややビッグなドラムサウンド、煌びやかなギターなど特徴的な音像になっています。UKが一番影響が強いかも。そして、USで活動していたバンドほど90年代は失速というか活動形態の変更や音楽性の変化を余儀なくされる。UKだとOzzy OsbournDef Leppardはそうですし、Iron MaidenJudas Priestもボーカルが脱退する。一番影響を受けたのはUK。逆に北欧とドイツはそこまで影響を受けなかったというか、そもそも全米で本当の意味で成功しているバンドが少なかった。USで成功を収めていたバンドは音楽性を変化させる、USのトレンドに合わせたアルバムを出していきますが、もともと欧州中心で活動いていたバンドはまったく違う流れ、独自のシーンを作っていく。むしろ、90年代の方が国別の差異がよりはっきりと出て面白いかもしれません。また機会があればやってみたいと思います。

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全四回にわたって国別に選んできた83'-90'のHR/HMプレイリスト。お付き合いいただきありがとうございました。それでは良いミュージックライフを。

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後記

余談ですが、ドイツが一番10曲選ぶのが大変だったなぁ...。Grave Diggerを入れるかRunning Wildを入れるかとか、KreatorSodomDistructionどれを入れるかとか、結構迷いました。そのあたりはバンド名の紹介、ということで割愛しましたが。

逆に一番迷わなかったのがUK。ちょっと意外だったんですけどね、むしろ70年代後半から80年代頭にいろいろなアルバムが出ているんですよ、UKは。83年~90年、USでの大成功となるともう限られてくるというか自然と曲が決まってくる。迷ったのはQueenを入れるべきか(代わりにThin Lizzyを入れようか)ぐらいですかね。Thin LizzyGary Moore入れるからいいや、Queen無視したらあかんだろということであの選曲にしましたが、けっこうすんなり決まった。北欧もそうですね、80年代で岐路になったバンドというと限られてくる。83年の時点だともうけっこうバンドが選別されているんですよね。80年から90年でUKの10曲、だとめちゃくちゃ迷ったと思いますが。80年、81年、82年に名盤、名曲が多い。

後はUSも迷いました、ヘアメタルをどこまで入れるかとか。でも、ヘアメタルばかり入れるとポップすぎるし「メタル史」としての意味合いが弱くなるなぁと思い、スラッシュメタル四天王を入れることに。スラッシュに寄りすぎているかなぁとも思ったんですが、MetallicaMegadethSlayerAnthraxって微妙にそれぞれ違うんですよね。Metallicaは欧州的な感覚やMotorhead的なロックンロールとサイケの感覚を持ちつつどこかアメリカと欧州の感覚がまじりあっている特異性があるし、MegadethはもっとUSハードコアからの影響があるというか、もちろんMetallicaMegadethが一番近いですが、Megadethの方がソリッドで純US的。Slayerはちょっとサタニック、Venom的なブラックメタル感があるし、ボーカルスタイルが他と違う。Anthraxはもっとクロスオーバーでスケーター・ロックなどとも近い。そうした差異があったので全バンドを入れました。かなり迷ったけれど入れられなかったのがQueensrÿcheDeathとどちらを入れようか迷ったんですがプログメタルは本格的に隆盛するのは90年代以降だし、Deathを優先しました。

でも、83-90でも10曲選ぶのにだいぶ苦労したので、90年代以降は一気にメタルバンドが増え、サブジャンルも増えていく、商業的にはメインストリームから外れ地下に潜りますが、サブジャンルが花開いていく(特に北欧)時代なので、5年区切りぐらいでやらないと10曲に絞り込めなそうですね。次にやるとしたら90年~95年かなぁ。

こういう「国別の選曲」って面白いですね。ぜひ他の方のものも読んでみたいです。

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