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人間椅子ライブ@Zepp DiverCity 2021.09.27

2年ぶりの人間椅子東京公演。昨年、無観客でのライブ配信はあったもののリアルの人間椅子は久しぶり。ニューアルバム「苦楽」リリースツアーファイナルがお台場にあるZepp DiverCityで開催され、参加することができました。

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周りには人間椅子法被、人間椅子Tシャツを着た方々で溢れています。法被いいですよねぇ。気分が上がります。

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後ろにはユニコーンガンダム。前からガンダムはあった気がするがこんなだったかなぁ。昔はクラシックガンダムだった気がするけれど、そういえばZepp DiverCityに来るのは何年ぶりだろう。

間隔を保って入場列に並び、入場。コロナ対策のため「チケットのもぎりは自分で行って係員の持っているバッグに入れる」オペレーションに。これは初めて見ました。あとは、ドリンク(600円)に交通系ICが使えるようになっている。これは地味に便利。小銭用意するのが面倒なんですよね。600円になってから(昔はだいたい500円だった)お釣りもジャラジャラするし。非接触にできるから交通系IC導入したのでしょう。ちょっとうれしい。

ドリンクはこのご時世なのでノンアルコールのみ。その代わりというか、Zeppグッズのボトルをひっかけるホルダーがおまけでついています。これ、今年6月にZepp Tokyoに行った時ももらえました。さすがにソフトドリンク600円は割高感ありますからね。個人的にはもともとライブ中は水が多かったですが(ビール飲むと途中でトイレに行きたくなるリスクが高まる…)、同じものを選んでもグッズがついてくるのは少しお得感あり。

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入場すると中には物販が。今回のTシャツデザインにも使われたデザインのツアーポスターが貼ってありました。美形化された三人。

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イラストレーターの鈴木旬さんの作品だそうです。

チケットはソールドアウト! この時期なのでスタンディングではなく着席で椅子あり。Zepp DiverCityのキャパはスタンディングだと2100人強ですが着席だと1100名程度。集客力が高くなりましたねぇ。

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昔は渋谷のO-Westでよくライブをしていた印象があります。O-Westのキャパは(スタンディングで)800人。だけれどそれもギュウギュウに詰めて800人なので普段はそんなに入らない。O-West時代にも何度か見た記憶がありますが、その時はけっこう空いていたんですよね。200~300名ぐらいの動員だったんじゃないだろうか。人間椅子の初のライブアルバムである「疾風怒濤(2010)」もO-Westでの収録でした。

2009年に結成20周年を迎え、ベストアルバム「人間椅子傑作選 二十周年記念ベスト盤」とニューアルバム「未来浪漫派」をリリース。人間椅子の人気上昇は2013年のオズフェスト参戦をきっかけとする論調も多いですが、個人的にはこの20周年(2009年)あたりからだんだん人気が出てきた印象を持っています。音に勢いが出てきたんですよね。ナカジマノブさんが加入(2004年から)して5年たち、バンドにもなじんできた。「未来浪漫派」は20周年に相応しい気合の入ったアルバムで、やや迷走していた人間椅子サウンドが次のステージに変化したことを感じさせるアルバムでした。今の人間椅子サウンドが確立した記念碑的なアルバムだと思っています。

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話を戻して、この日のZepp DiverCityは着席形式で席数限定とはいえ、このご時世の中で満席御礼。満席の会場を観ながら「ずいぶんビッグなバンドになったなぁ」としばし感慨に。

この日のセットリストはこちら。

オープニングSE:此岸御詠歌(萬燈籠 2013)
1.夜明け前(苦楽 2021)
2.神々の行進(苦楽 2021)
3.杜子春(苦楽 2021)
4.宇宙海賊(苦楽 2021)
5.無限の住人 武闘編(シングル 2020)
6.洗礼(三悪道中膝栗毛 2004)
7.恐怖の大王(怪談 そして死とエロス 2016)
8.人間ロボット(苦楽 2021)
9.恍惚の蟷螂(苦楽 2021)
10.疾れGT(苦楽 2021)
11.暁の断頭台(二十世紀葬送曲 1999)
12.至上の唇(苦楽 2021)
13.超自然現象(異次元からの咆哮 2017)
14.ダイナマイト(踊る一寸法師 1995)

アンコール:
15.ねぷたのもんどりこ(萬燈籠 2013)
16.無情のスキャット(新青年 2019)

プレイリストにまとめてみました。

今回、「苦楽」リリースツアーということもあり、演奏された全16曲中8曲が苦楽から。あとは、ほとんどノブさん加入後(2004年、三悪道中膝栗毛以降)のアルバムからですが、11.暁の断頭台と14.ダイナマイトだけが90年代の曲。初期作からの曲は今回はなし。それは30周年ツアーでやったからでしょうか。

でも、これだけキャリアが長いバンドなのにほとんど近作からの曲でライブを構成できるのは凄い。進化しつづけているんですよね。(一般的な意味での)ヒット曲も特にないからセットリストも自由度が高い。「針の山」「りんごの泪」「人面瘡」あたりは定番な印象がありますが、今回はなし。そもそも定番曲が時期によって入れ替わってきたバンドです。それだけ新譜が充実しているし、楽曲も変化している。昔から変わらないのは「ダイナマイト」だけですかね。これはスラッシーで勢いがあるし、ベースを開放弦で弾けるから鈴木さんがマイクパフォーマンスしやすいから定番化しているだけで、別に演奏しないからと言ってクレームはないし。「必ず演奏されないといけない曲」が特にないバンド(今だと海外で知名度が出た「無情のスキャット」は演奏されるでしょうけれど、これもまた次の代表曲が出てきたら変わるでしょうし)。もちろん、個々人で思い入れがある曲はあるわけで、個人的には「幸福のねじ」と「心の火事」が好きなんですが、演奏されなかったからと言ってがっかりはしません。やっぱり「新しい人間椅子のサウンド」の説得力があるからでしょうね。新譜からの曲が中心でも不完全燃焼感はない。あと、新譜全曲やった特撮のライブでも思いましたが、今はコロナ中で声が出せない(一緒に歌えない)ので、かえって集中して新譜とか新曲を聴ける、というのもあるかもしれません。

音について感じたのは、適度に荒々しさもありつつ演奏が安定しているなぁ、ということ。和嶋さんのギターサウンドも、適度に引っ掛かりが合ってガレージパンク的な荒々しさもあるサウンド。ピッキングのガリっとした引っ掛かりを感じさせつつタイト。あと、ノブさんもすっかり溶け込み、バンドアンサンブルが鉄壁に。加入初期はけっこうミスもあり(そもそも曲が難しい)、楽曲の複雑化する速度に演奏再現技術が追い付かなかった時期もあった(2000年代)印象ですが、これも疾風怒濤リリースあたりからバンドとして安定してきて、今はもう匠の技の域ですね。ずっと聞いていられる。トリオとは思えないほど音も厚くて迫力がありますが、たとえば海外のプログメタル勢にある荘厳なまでの完璧さ(たとえばドリームシアターとかOpethどか)はなく、ライブっぽさ、ロックバンドっぽい荒々しさがしっかりある。ベテランの円熟味と初期衝動の荒々しさを感じられるバランスが良かったです。

今回はカメラが入り、有料配信ライブも行っているとのこと。10月3日までは配信されているようです。

ライブ終わり、外に出れば幻想的で水の底(水没都市)のようなお台場。ライブの余韻が残る夜。

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