日々と泡沫

座り込んで空を仰ぐ
綿雲は流れていく
お構いなしに自転車は
先へ先へと駆けていく

河川敷を流れる風は
青い草の匂いがした
熱を帯びた身体をそっと
撫でるように吹いている

やりたいことは増えても
できないことが多くなった
自分を縛るものなんて
本当はないはずでしょう

簡単なことなどないけれど
難しく考えなくて良いよ
喉が渇いたらおいでよ
ここで休んで行けば良い

横たわってうねる川は
ゆるやかに流れている
日常は目まぐるしい速度で
川の流れを追い越した

夕方5時のチャイムが
川向こうから響いて
悲しいほど賑やかに
今日の終わりを告げる

時計がぐるりと一回りして
同じような朝が来る
繰り返す営みもきっと
悪いものではないでしょう

ままならないことは多いけれど
それだけが全てではないでしょう
やるせない日々を紡ぎながら
明日を夢見ている

立ち上がって土を払う
誰もが家路を急ぐ
積み上がった日々を抱えて
生活は続いていく

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