見出し画像

【教員発信】安田女子高校STEAMコース~オススメ書籍1~

安田女子高校STEAMコースは、2021年4月に新設されたコースです。

今回は、私が最近読んで面白いと思った書籍を、4冊ご紹介します。STEAMとの関わりが少ないものも含まれています。


★システム×デザイン思考で世界を変える/前野隆司

慶應義塾大学SDM(システムデザイン・マネジメント)研究科の前野先生が書かれた本で、叡啓大学の先生にご紹介いただきました。
システム思考やデザイン思考について、初心者でもわかりやすく説明してあります。使用するツールの説明や具体的事例などがたくさん詰まっています。すごくオススメです。


★クイズdeデザイン/ingectar-e

STEAMコースでは、生徒がチラシやポスター、プレスリリースなどを作成する機会が割と多くあります。これを一度読んでおくと、デザインを「見る目が変わる。作り方が変わる。」そんな予感を感じました。
構成も、
何種類かあるデザインから、どちらがテーマに合ったものかを選ぶ。
 ↓ (ページをめくると)
答え合わせと解説(よいポイント・わるいポイントなど)がある。
という感じで工夫されていて、とても読みやすかったです。


★破壊的イノベーター、その視界/日経BP総合研究所

15の破壊的イノベーターを取り上げて、そのエッセンスを学べる本。分野も、建築・スポーツ・空飛ぶクルマ・エンターテイメント・・・とさまざまで、進路に悩んでいる人にも参考になるかも。こんな人たちにSTEAMコースで講演してもらえたら・・・という気持ちが暴走しそうです。

この本を読むきっかけとなったのは、STEAMコースで特別にコラボさせていただいているマザーハウスさん。その代表の山口絵理子さんが取り上げられています。(マザーハウスとの特別コラボプロジェクトは、2022年12月~2023年3月までの予定)


★都市と地方をかきまぜる/高橋博之

上の「破壊的イノベーター・・・」といくつか共通点がある本です。共通点は「地方」「生産者と消費者をつなぐ(マザーハウス)」です。
この本では、農業・漁業といった一次産業での問題や地方の問題が取り上げられています。そしてその問題を解決しようとする「東北食べる通信」という取組が紹介されています。東北の震災やその後の防潮堤などにも触れられていて、とてもいろんなことを考えさせられました。


■本を読んで思うこと

ちょっと飛躍しますが、現代社会では、本来は市場原理や資本主義となじまないはずの分野(教育や行政など)に、どんどん市場原理(等価交換など)や資本主義的な考え方(コスパなど)が入り込んでいます。それはちょっとよくないなぁと思うのです。
ちょっと考えれば「いい学校に行っていい教育を受けさえすれば、頭がよくなる/成績が上がる」なんて都合のいい話はあり得ないはずですよね。自分で学ぼうという姿勢やある程度の学習時間など、教育を受ける側の資質や努力が必要とされるのですから、お金を出して商品を買うようには、等価交換できるはずがないのです。
水道やガス・電気などの社会基盤も、資本主義的な考え方で、たくさんお金を持っている人にはよりよいものを提供するなんてできっこありません。
夢の国・テーマパークでも「お金(しかもかなり高額)を出すと行列に並ばずにアトラクションを楽しめます」という制度がありますが、もはや夢の国ではなく金の国じゃん、とツッコミたくなります。
とまあ、すべて自分で考えたように書いてきましたが、「人新世の資本論/齋藤幸平」や「人口減少社会の未来学/内田樹編」などからの受け売りがたくさん入っています。


■ 執筆者:安田女子高校STEAMコース主任(2年目)
教員歴23年(理科と情報、専門は物理)。
趣味は読書、好きなことは謎解き、好きな食べ物は粒あんです。
大学・大学院時代は、赤外線天文学を専攻、できたてほやほやのすばる望遠鏡を使わせてもらいながら褐色矮星について研究していました。
未知の人と関わるときは尻込みするタイプですが、STEAMと関わり始めた2年前から一念発起して、いろいろな人と関わろうと努力しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?