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【教員発信】 安田女子高校 情報通信講演会・WS~マツダ財団コラボ企画~

 安田女子高校STEAMコースは、2021年4月に新設されたコースです。
 コースの特徴の一つが、「ワクワク」「ホンモノ志向」や「生徒の参画」です。今回は、公益財団法人・マツダ財団とのコラボ企画として、生徒が企画運営委員として準備段階から関わってきた、情報通信講演会・ワークショップについて、報告します。




☆マツダ財団

 今回のコラボ企画のきっかけは、2023年度にマツダ財団から助成金をいただいたことです。おかげで、プランクトンチームやロボコンチームの活動が活性化し、また文化祭などでマツダ財団の方に発表を聞いていただく機会ができました。

 実は、マツダ財団では若手研究者への研究助成もしておられ、中高生と若手研究者をつなぐことができないかと模索をしていらっしゃったことから、今回の講演会の話しへと繋がっていきました。


☆講師

 今回の講師は、早稲田大学・グローバルエデュケーションセンターで講師をされており、嶋本研究室にご所属されている齋藤恵先生です。大学の授業ではプログラミングやWebデザインなどを受け持っておられます。また、主な研究テーマとしては、端末間同士が通信を行うDevice-to-Device通信を用いた低電力・高効率の通信方法や、通信障害の対策に関する研究、また、ユーザの心理状態を考慮した通信方式について研究をおこなっていらっしゃいます。


☆今回の講演会・WSの流れ

 まず、情報通信の基礎知識についての講義パートです。
 有線・無線(5G・Wi-Fi・Bluetoothなど)の多くの通信方式があること、それらの長所・短所を教えていただきました。そして、それらがどのように日常生活の中で使用されているかを活用されているかを学びました。
 次に、技術的な話をクイズを交えながら、簡潔に楽しく学びました。そして、嶋本研究室での研究事例や齋藤先生ご自身の研究事例を具体例と共に分かりやすくお話しいただきました。
 また、齋藤先生が大学で授業をされている関係から、Webデザインについても基礎知識を教えていただき、色やフォントによる印象の違いなどを学びました。
 ここまでかなり難しい内容でしたが、テンポの良い語り口とクイズを交えた親しみやすさのおかげで、生徒たちもしっかりとメモしながら講義パートに聞き入っていました。

中央奥:講師の齋藤恵先生
手を動かすワークもありました

 次に、4人チームに分かれてのグループワークです。スマホ依存症対策・痴漢対策・振り込め詐欺対策とそれぞれ割り当てられたテーマについて、情報通信やデザインなど教えていただいたことを使って解決することを目指してグループワークしました。齋藤先生に作っていただいたワークシートのおかげもあって、アイデア出しも順調で、面白い解決策もたくさん出てきていました。
 今回のグループワークで面白かったのが、同じテーマについて考えた3つグループで集まって、各テーマについて解決策を共有し、ブラッシュアップし、最終発表をしたことです。STEAMコースでは、通常4人グループでワークをおこなったら、ブラッシュアップなどはするものの、そのままのグループで発表までおこなっていたので、生徒たちも新鮮な感じで取り組んでいました。

4人1チームでグループワーク
同じテーマの3グループが集まりました
発表の様子1
発表の様子2

☆ふり返り・生徒の感想

 今回の講演会の満足度は、五段階で4.86とこれまで以上の高評価でした。内容は難しかったものの、齋藤先生によるテンポの良いお話とワークシートのおかげで、生徒たちにとって良い刺激となったようでした。

 以下、生徒の感想から(抜粋)

・普段身近に使っているものが裏で複雑に動いているんだって初めて気づかされたことが多かったです。色によってもたらす効果がそれぞれ違ってて、すごいなって思いました。情報通信って聞いたらもっと難しいものだと思ってたけど、思ってたより聞きやすかったです。(高2)
・情報がこれまで本当に苦手だったのですが、先生がわかりやすく噛み砕いて説明してくださったので、理解できたし、ワークも楽しく行うことができました。Wi-FiとBluetoothの違いも初めて知りました。本当に充実した時間でした。ありがとうございました。(高2)
・身近にある情報通信で今後解決できそうな課題がたくさんあることに驚きました。ユニクロやGUにあるレジがなぜ無人で大丈夫なのかわからなかったのが、RFIDのおかげだということを初めて知りました。(高3)
・最初「情報通信」と言う言葉を聞いて思い浮かんだ言葉は、インターネット・SNSなど少なかったです。しかし、今回の講演を通して情報通信とはどんなものかをイメージしやすくなり、また、身近には何が具体例としてあるのかわかりました。そして、「情報通信」という言葉を学ぶとより現代社会について理解を深めることができたように思います。(高3)

最後に齋藤先生と記念撮影
企画委員が最後に残って齋藤先生とお話ししている様子

 最後になりましたが、この講演会の実施に企画段階からご協力いただきましたマツダ財団の皆さまにお礼申し上げます。本当にありがとうございました。


■ 執筆者:安田女子高校STEAMコース主任(4年目)
教員歴24年(理科と情報、専門は物理)。
趣味は読書、好きなことは謎解き、好きな食べ物は粒あんです。

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