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「素晴らしき日々も狼狽える」という映画のタイトル。 bloodthirsty butchersとWALK INN FES!

 今、公開されている映画「素晴らしき日々も狼狽える」のタイトルはbloodthirsty butchers(ブラッドサースティー・ブッチャーズ)というバンドの「ファウスト」という曲の歌詞から引用したものだ。

「映画にはブッチャーズは出演していないのになぜタイトルになって劇中で曲も使用されているのですか?」

と、度々聞かれた。
至極当然な質問だ。公開中の映画の内容について監督があれこれ言うのは、とても間抜けな話なのだが、このタイトルについては少し話しておこうと思う。

ご存知の通り「素晴らしき日々も狼狽える」は鹿児島で開催されているWALK INN FES!のドキュメンタリー映画だ。
WALK INN FES!は毎年2日間開催しているが、1日目と2日目の終わりにはフェス代表の野間太一がステージで閉会の挨拶をしてその日を終える。
1日目の挨拶の直後には必ずbloodthirsty butchersの「ファウスト」が爆音で流れ、同時に打ち上げ花火が上がる。そして2日目のフェスの終わりにはbloodthirsty butchersの「七月」が爆音で流れ、たくさんの打ち上げ花火が上がり、その年のウォークインフェスは幕を閉じる。
これは10年間、変わらず続いている。

野間太一が愛してやまないbloodthirsty butchersのギターボーカル吉村秀樹氏。彼は2013年、急性心不全で惜しまれつつも亡くなった。
そして、その翌年の2014年からWALK INN FES!は始まった。
その第1回目から今日に至るまで、WALK INN FES!の最後にはbloodthirsty butchersが爆音で流れ続けている。

これはどういうことか?

つまり野間太一にとっては、
bloodthirsty butchersは、今も毎年必ずWALK INN FES!に参加し続けていて、1回目からずっとフェスのトリはbloodthirsty butchersということなのだ。
だからWALK INN FES!最多出場バンドは実はブッチャーズだ。

今回、WALK INN FES!の映画を創るにあたって、そのタイトルを考えた時、僕は野間太一に

「この歌詞の中からどれか一節を選んでくれ。それを映画のタイトルにするから」

と「ファウスト」の歌詞を渡した。
彼は「素晴らしき日々も狼狽える」を選んだ。
そして僕はその言葉に向かって
この映画を紡いだ。


野間太一とbloodthirsty butchersの出会い、彼の吉村氏への想いは、以前彼の書いたnote「bloodthirsty butchersというバンドとの出会い」に詳しく書かれているので、ぜひそちらをご一読いただきたい。


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