乃木坂

東京23区には500近くの駅があるらしい。千葉県柏市に住む私は、常磐線が乗り入れる千代田線沿線の駅の利用頻度が高くなりがち。

幼少期を過ごした、飲み屋ひしめく北千住、学生時代から今も通う原宿の玄関口である表参道、横浜方面の乗り換え駅になる明治神宮前に次いで利用回数が多いのが、乃木坂。ホンダ本社、ミッドタウン、いちょう並木に打ち合わせや取材で訪れたり、渋谷まで歩く途中に国際連合大学のイベントに参加したり。ユナイテッド・アローズの本社に行ったこともあった。

乃木坂駅を乃木神社方面に出て青山通りに向かう途中にあるのが、都営南青山一丁目アパート。これを書きながらその理由を考えているのだけれど、この建物が好き。隣の高層マンションより全然、いい。なにより壁面に書かれた書体が、いい。これは昭和40年代から変わっていないのでしょうか？（ご存知の方、いたら教えてください）。

変わるものと変わらないものがあって、たとえば歴史的建造物のように莫大な維持管理費をかけて変わらないことを価値とするものもあれば、誰にも手入れされずとも日々めまぐるしく育つ野の花のように、変わることが周囲を喜ばせることもある。

「変えちゃいけない」とか「変えなきゃいけない」とか、そんなことを周囲からたくさん言われる。放っておけばいい。「変えたくない」も「変えたい」も自分で決めたほうが、いい。

乃木坂は、そんなことを考える街。