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起業→事業売却を経て、製造業SaaSスタートアップ 「Smart Craft」を次の挑戦に選んだ理由

はじめまして。酒井 靖昭と申します。
2023年8月より、株式会社Smart Craftに「1人目のビジネスサイド」として入社しました。

今年6月に総額1.1億円の資金調達及びプロダクトリニューアルを実施した、製造現場DXプラットフォーム「Smart Craftを拡大すべくPMF(Product Market Fit)を目指し取り組んでいます。

Smart Craftは現在、10名弱のスタートアップで、事業も組織もまさにこれからというフェーズです。このnoteでは起業、事業売却、上場企業勤務などを経て、なぜ今 Smart Craft に入社することになったのか、またこれから実現したい未来についてお伝えできればなと思います。

プロフィール

京都大学在学中に、創業期のガイアックスに参画し開発部長として上場を牽引。その後起業し、工数管理SaaSクラウドログを立ち上げ、後に売却。クラウドワークスではサービス開発部長としてクラウドログ、事業開発、プロダクトマネジメントに従事。2023年8月Smart Craftへ参画。

ガイアックス時代

キャリアの最初は、IT企業のガイアックスでした。

ガイアックスとの出会いは、京都大学理学部で素粒子物理学の研究をしていた大学四年生の頃。学生時代に趣味で少しプログラムをかじっていたこともあり、知り合いの誘いでインターンとして働き始めました。

当時のガイアックスは創業から数ヶ月、メンバー数もわずか10人程度のベンチャー企業。インターンという立場でも責任と権限があり、高い目標を掲げその達成に向けて取り組む日々は本当に学びの多い、充実した日々でした。半年ほどインターンとして働く中で、学問よりもスタートアップで働くことの面白さに魅了され、元々考えていた大学院への道も捨て、その後そのまま正社員として入社した次第です。

入社したガイアックスでは、主にSaaS事業を担当しました。今でこそSaaSを提供する事業は増えましたが、当時はまだ珍しく、ASP(Application Service Provider)という表現が一般的でした。

あるとき新規事業の企画からすべてを任されることになり、事業をつくることの面白さと難しさを経験しました。以降も、開発部長という立場で様々な事業立ち上げやM&Aに関わらせてもらいました。事業としてはSaaSプロダクトを扱うものが多かったです。

起業し、プロジェクト管理のSaaSプロダクトを開発

(起業した直後の写真)

その後、32歳のタイミングでガイアックスを卒業し、起業に向けて準備を始めました。ガイアックスは起業志向の人が集まる会社だったこともあり、ガイアックス時代から「いつか起業したい」と考えていたんです。

そして2008年にカクシン株式会社を創業し、クラウドログ(旧: イノピーエム)」というプロジェクト管理ツールを開発しました。

開発のきっかけは、当時10人以下の小規模で様々な受託開発を行っていた時です。複数プロジェクトが同時並行で走る中、プロジェクト採算がどんぶり勘定になっていたので、プロジェクトの原価を明らかにするための簡単な工数管理システムを作りました。その結果、プロジェクト原価が把握できただけでなく、メンバーの稼働が可視化されたことで、「すごい無駄なことをやっている」と気づきました。

そして同時に「この課題を解決したら売れるのでは」とも思ったんです。

そうして開発したのが、「クラウドログ」というプロダクトでした。

私自身も一部コードを書きながら、営業、マーケティング業務を中心に担当。最初売れるまではとにかく苦労の連続だったので、初めて売れたときの感動はいまでも鮮明に思い出せます。

事業売却→執行役員→クラウドワークスへ

それから約10年にわたり、クラウドログを通じてホワイトカラーの生産性向上というテーマに取り組んできました。インバウンドマーケティング施策の成功も相まって、大手企業の導入実績も増えたタイミングで旧知の会社(株式会社電縁)の人からお誘いを受け、「事業売却」という形でそのまま電縁にジョインしました。

電縁では新規事業担当の執行役員として、クラウドログを含め、数件の事業立ち上げ、M&A、オフショア開発拠点の立ち上げなどを推進しました。

(フィリピンオフショア開発立ち上げ時の写真)

その後、電縁がクラウドワークスに買収されることに。クラウドワークスの取締役にクラウドログの将来性をプレゼンしたところ、セールスチーム増員やWeb広告などクラウドログに投資する運びになり、クラウドワークスに転籍することになりました。

Smart Craft に出会う

クラウドワークスは当時約200人と、今まで所属した中では一番規模の大きい会社でした。ミッションである「個のためのインフラ」の通り、多様な働き方を実現するためのサービスを提供していて、社内も同様に個人の意志を尊重してもらえる非常に働きやすい環境でした。また、徹底した仕組み化もカルチャーとしてあり、経営管理、事業推進、プロダクトマネジメントに関するノウハウを体系的に学べる環境でもありました。その甲斐あって、クラウドログもARR4億円超までに成長しました。

その一方で、私にとっては「コンフォートゾーンではないか」という危機感に近い感覚が徐々に生まれてきました。

気がつけばもう47歳。60歳で引退とすると、残りわずか12年と数ヶ月(もっと働きたいと思っていますが笑)。小学校入学から高校卒業までの年月とほぼ変わらない訳で、きっと一瞬。

「これが人生最後のチャレンジになるかもしれない。残りの人生を賭けて挑戦できることを探したい」

そう思っていたときに、Smart Craft に出会いました。

今振り返れば、SaaSであり製造業ドメインという、これまでの自分の経験が活きそうな会社だったからこそ、自然と目に止まったのかもしれません。

「自分の興味を確かめたい」と思い、Smart Craftのサイトにある問い合わせフォームから連絡をすると、すぐに代表の浮部さんから連絡が来て、後日オンラインで話すことになりました。

Smart Craft を次の挑戦に選んだ理由

クラウドワークスの次の挑戦に Smart Craft を選んだ理由は次の3つです。

理由① 優秀かつ魅力的なメンバーの存在

浮部さんと初めて話したのは、2023年の年始でした。

まず第1印象は、パッションあふれる人だなと。そして「自分はきっとこの会社に入るんだろうな」という直感が自分の中になぜか生まれたことを覚えています。それほど印象的な出会いでした。

その直感を確かめるべく、事業や組織のことなど、根掘り葉掘り聞いたところ、当時はプロダクトのリニューアルに向けて開発を進めていたタイミングにつき、売上はゼロとのこと(詳しくは浮部さんのnoteより)。

まさか売上ゼロとは想定していなかったのですが、そんな中でも自信を持ってリニューアル開発を進め、事業について熱く語る姿を見て「この人はすごいな」と心の底から思いました。というのも、自分も過去に起業していたので、もし自分が同じ状況ならこんな風に事業や将来性について自信を持って話すことはできなかったと思うんです。

もちろんパッションだけでなく、キーエンス・アクセンチュアで培ったスキルや愚直に結果にこだわる姿勢を感じ、「一緒に仕事がしたい」と思うようになりました。さらに、共同創業者の村重さん、開発を束ねる星井さんとも話す機会があり、お2人と話した際も同じことを思いました。

理由② プロダクトの持つ可能性の大きさ

今年6月に総額1.1億円の資金調達及びプロダクトリニューアル・正式版をローンチした製造現場DXプラットフォーム「Smart Craftですが、このプロダクトにも可能性を感じました。

日本の製造業は国内GDPの約2割を占める基幹産業ですが、製造業の現場では紙やExcelを用いた業務が行われており、非効率なオペレーションが多く残されています。また、データ活用ニーズも近年高まっていますが、進捗状況の把握や改善活動を行う際、データが紙やExcelなどに分散しており、活用できない現状にあります。

また、私のこれまで24年の社会人人生は、ホワイトカラー向けのサービス提供が中心でした。一方で世界を見ると、ITの恩恵を受けられていない人々や、DXが進んでいない業界の方が遥かに規模が大きいという事実があります。

Smart Craft が解決しようとしているこのような製造現場の課題の大きさは、それだけプロダクトによる解決余地が大きい、ということでもあります

また Smart Craft は中長期的な事業戦略として、プロダクト領域の拡張、M&A、海外展開といったことも視野に入れています。こうした展望があることも、プロダクトに可能性を感じた理由の一つです。

理由③ 「これまでの経験を活かし、残りの人生を賭けてモノづくり産業のニュースタンダードを創りたい」と思った

「製造業」という領域には、以前から興味がありました。

・製造業向けERPを提供している企業のM&AとPMI(Post Merger Integration)を担当した際に、子会社の経営陣からいろいろ教えてもらい、製造業の奥深さに感動した
・フィリピン駐在時代に、多くの日本企業の工場がフィリピンにあることを知り、日本の製造業の強さや裾野の広さに感動した

といった経験が背景としてあり、「モノづくり産業のニュースタンダードを創る」というSmart Craftのミッションに共感し、残りの人生を賭けてその実現にコミットしようと決意しました。

ーー以上がクラウドワークスの次の挑戦に Smart Craft を選んだ理由です。

(フィリピンのビジネス街、多くの日本企業が入居している)

これから

(初受注決定後の打ち上げ)

まずは業務委託として関わり始めた Smart Craft ですが、今年の8月からフルコミットで関わり始めています。入社して1ヶ月、心地良い緊張感を感じる日々です。パニックゾーンとラーニングゾーンを行き来している感じではないかと。

Smart Craft に入社して改めて良かったこと、それは代表の浮部さんをはじめとしたメンバー全員がプロフェッショナルで、常に最高の結果を出そうとするカルチャーです。 Smart Craft には、私にとって理想とする環境があります。

そして現在、ビジョンの実現に向け、 Smart Craft では一緒に働く仲間を募集しています。自分の経験やノウハウを活かしつつ、メンバー一丸となって、まずはPMFを実現していきたいと考えています。

長文でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。私の入社エントリを通じて、少しでも Smart Craft にご興味をお持ちいただけたら幸いです。

ビジネスサイドで裁量を持ってチャレンジしたい方は、ぜひ一度お会いしましょう。

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