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美容師の僕がお客として美容室に通い続ける理由


こんにちは、STATES omotesandoという美容室で店長をしている小川泰明です。


「美容師さんって自分の髪はどこで切ってるんですか?」


お客様からこんな質問を頂くことがよくあります。



美容師とはいえ、
人間である以上髪は伸びるわけで、髪は切らないといけないわけです。


まあ大体よくあるパターンが、

「空いてる時間にお店のスタッフに切ってもらう」

が定番だと思います。


「うらやましい〜」と思うなかれ。

美容師の特権とも呼べるものは、正直このくらいしかありません笑


とはいえ、
「いつでもちょっとの空き時間で髪を切ってもらえる」
というのは結構ラッキーだったりはします。


がしかし、

自分の場合はもう5〜6年以上、
お店のスタッフには髪を切ってもらっていません。


そう、自分は美容師でありながら美容室に通ってるんです。




美容師なのに美容室に通う理由


これには大きく2つの理由があります。

・お客様の気持ちを忘れたくないから
・信頼できる美容師さんがいるから

この2つが自分が「美容師なのに美容室に通う理由」です。




お客様の気持ちを忘れたくないから


これが自分が美容室に通い続ける最大の理由です。


長く美容師をやっていると、
どうしても美容師目線になってしまいます。


売上だとか作業効率ばかり気にして、
お客様という立場や、お客様のふとした気持ちを忘れがちになってしまいます。


お客様の気持ちは、お客様にならないと分からない。


これは自分の美容師としてのひとつのモットーです。





ドキドキしながら予約を取って、


来店の日を楽しみに待ち焦がれ、


当日時間に遅刻しないように準備し、


電車やバスを使ってお店に向かい、


緊張した面持ちでお店の扉を開ける、


丁寧なカウンセリングと施術を受け、


料金を支払い、


ステキなヘアスタイルとリラックスした時間は、


「明日からまたがんばろう」という前向きな気持ちにさせてくれる。




少し大袈裟なストーリーに聞こえるかもしれませんが、


このストーリーとお客様の気持ちは、
お客様の立場にならない限り絶対に味わうことができません。


そして自分は、
自分の元に通って頂いているお客様のこんなストーリーと気持ちを、絶対に忘れたくないんです


時間を使って、足を使って、お金を使って、期待を込めて美容室に行く。


自分のお店のスタッフに空いている時間で切ってもらうという過程では、決して味わうことのできない深い感覚です。



自分が1番恐れているのは、
お客様のことを最優先で考えられなくなることです。


・少しくらい待たせてもいいだろう
・このくらいの仕上がりでいいだろう
・まあまた来てくれるだろう


何年美容師としてのキャリアが積み重なろうと、
こんな美容師には絶対になりたくありません。


お客様という立場に自分の身を置くことで、
お客様の気持ちや感覚を直接味わうことができます。


「お客様のことを第一に考えよう」

お客様の立場になったこともない人間が、
お客様の気持ちを味わったこともない人間が、
そんな偉そうな台詞を言う事はできません。


お客様の気持ちをきちんと汲み取れる、
これからもそんな美容師を目指して精進致します。





信頼できる美容師さんがいるから


これも大きな理由のひとつです。

自分の髪の毛を、自分以上に理解してくれる美容師さんの存在はとても貴重です。


自分の髪を5〜6年以上お願いしている人物は、
実は15年ほど前に、お互い新卒として入社した会社の同期だった男です。



当時からまあ器用で技術の上手い男でした。

技術チェックやコンテストではいつも苦杯を舐めさせられる、
そんな男と同期だったことを本当に恨みましたね笑


ただ、美容への熱い思いや技術への強いこだわりは人一倍強い男でした。


そんな当時のライバル・戦友とも言える男が、
今は自分の信頼できる担当美容師さんだから人生分からないものです。


あ、ちなみに、
割引などは一切なく、通常料金をお支払いしてます笑


信頼できる美容師さんという存在は、自分にとってはとても有り難い存在です。


そして、
自分もお客様にとって、そんな美容師でありたいと、髪を切ってもらうたびに強く思います。


そんな時間が自分にとっては、
大切なことを思い起こさせてくれるかけがえのない時間なのです。




お客様に寄り添える美容師でありたい


お客様によって、美容室や美容師に求められるものは当然違います。


学生さん、お仕事が忙しい方、主婦の方、小さいお子さんがいる方etc...


自分という美容師を押し付けるのではなく、
いろんな方のいろんな生活や人生にそっと寄り添えるような、
そんな美容師でありたいと、キャリアを重ねれば重ねるほど強く思うようになりました。


お客様の気持ちを忘れないために、

お客様に寄り添える美容師であるために、



僕もみなさんと同じように美容室に通い続けます。




いつも長文を最後までご覧頂きありがとうございます。




小川泰明










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