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いつかハサミを置く日が来ても


こんにちは、Qnoir青山でフリーランス美容師をしている小川泰明です。


諸行無常、盛者必衰。


一世を風靡した栄光の高校時代を経て、周囲の大きな期待とは裏腹に怪我に苦しみ、プロの世界で結果を残すことができなかったハンカチ王子。

日本の大エースとして君臨、海を渡ったアメリカでも結果を出し、名実ともに球史にその名を残しながら、怪我には勝てなかった平成の怪物。

歩んできたキャリアは違えど、自身の怪我と最後まで向き合い、厳しいプロの世界で戦い抜いた男の引き際には目頭が熱くなるものがありました。

斎藤佑樹投手、松坂大輔投手、そして今シーズンでユニフォームを脱ぐことになった選手方、本当に今までお疲れ様でした。


そんなプロ野球におけるいくつかの引退報道を見ていて、歳のせいか色々と思うところがありまして、、しばし小川のぼやきにお付き合いくださいまし。

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さて、こんな僕も美容師になって早18年、美容師を志したときから数えると20年以上もの月日を過ごしてきたことになります。

改めて、自分が選んだこの仕事を長い間続けてこられていることに、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

ご指導ご鞭撻を頂いた先輩方や、共に切磋琢磨し合った同僚達、この仕事を通じて出会えたメーカーさんやディーラーさんをはじめとする関係各所の方々、自分のような美容師を快く受け入れて頂いたこれまで勤務してきたサロンの皆さま、そして何より自分という美容師を必要として頂き自分の元に通って頂いているお客様。

本当に数えきれない数の方々が、僕なんかのちっぽけなひとりの美容師の人生に携わって頂いて、今の小川泰明という美容師が存在しているんだと改めて感謝の想いで溢れています。


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正直なところ、ひとつの仕事を長く続けてるとその仕事の良いところも悪いところもその全部が見えてきます。

好きなとこや嫌いなとこ、得意なことや苦手なこと、それはそれはもう2度と経験したくない苦い思い出もあるし、挫折なんてのも1度や2度なんかじゃない。


自分には向いていないから、もうこの仕事を辞めた方が良いんじゃないか?


そう思ったことは何度もあります。

でも不思議と、この仕事を「辞めたい」と思ったことは実はただの一度もないんです。

まあこの仕事以外に出来るものがない、という理由が大半ではあるのですが。。笑

そんなこんなで辞めずに長く続けてきたからこそ得れたものや感じれるようになったものもたくさんあります。


しかしながらそんな自分も、いつかハサミを置く日が必ずやって来るんですね。


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「メメント・モリ」なる言葉があるように、終わりを意識した途端に今まで見えていた当たり前の風景は一変します。

「自分は自分が思い描いていた理想の美容師になれたんだろうか?」


やがて訪れる美容師人生の最後の日、きっと僕は自分自身に何度も問うと思うんですね。

そのとき胸を張ってYESと答えられなくても、曲がりなりにも人生を懸けてきた仕事に対して、誇りと愛情と感謝の気持ちに溢れた想いでハサミを置けたらこれほど幸せなことはありません。

誰しもに終わりは必ずやってきます。

カッコいいキャリアではなかったとしても、誇れる道のりではなかったとしても、這いつくばってたどり着いたゴールだとしても、自分がやってきたことに胸を張れるような、そんな美容師人生を歩んでいきたいと強く思います。

必要として頂けるみなさまがいる限り、そしてこの体が動く限り、自分が選んだこの美容師という仕事を、たくさんの愛ある方の支えのもとで続けさせて頂いているこの美容師という仕事を、これからも全力で全うしていく所存であります。


まだまだもう少しだけ厄介になります。


こんな小川をこれからもどうぞよろしくお願い致します。


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長文・乱文にいつもお付き合い頂きありがとうございます。




小川泰明

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