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SNSでの誹謗中傷と思い出話

SNSでの誹謗中傷が原因でプロレスラーが自死したのではないかと話題になっています

私は「テラスハウス」をしっかりは見てないですし、SNSでの誹謗中傷を実際に見たわけではないのですが、報道を見て私なりに次の3点に要約してみました
1 「テラスハウス」内で、木村花さんが視聴者の反感をかうような言動を行った
2 それを見た視聴者からの誹謗中傷が、SNSで大量、長期間、執拗でひどく傷つける内容だった
3 誹謗中傷を苦にして、彼女が自死したらしい(死因は公表されてない)

これについて思い出話と私の考えを述べます
1 「テラスハウス」は恋愛ドキュメントバラエティという分野の番組です。ドキュメント風ではありますがバラエティ番組ですから台本や演出があります。それをドキュメントだと信じ切ってしまうとは、情報リテラシーが低すぎだと思います。
古い話ですが、赤いシリーズを見ていた祖母が「秋野暢子は憎たらしいから嫌い」と言っていたのを思い出しました。ドラマの中の悪役をその人本来の人格と混同してしまうことは昔からあることですし、混同されるということは真に迫った演技ということでもあり、演者としては誇らしいことでもあります。
木村さんの番組内での言動のうち、どれが本心でどれが演出かは明らかにされていませんし、女優と違って木村さんは色々なキャラクターを演じ分けることもないですから、全てが本心と誤解されやすい状況にあります。番組との契約上、誹謗中傷に対して「あれは演出で、本心ではありません」とバラすこともできなかったでしょうし、すべてが演出でもないでしょうから線引は難しいでしょう。
「バラエティ番組での発言を真に受けすぎない」「テレビは娯楽として聞き流す程度で楽しむ」ことが大切だと思います。

2 芸能人への誹謗中傷もまた、昔からあることです。
私が中学生の頃の話です。田原俊彦と中山美穂が交際してるとの噂が報道されたとき、田原俊彦のファンである同級生の女子が、中山美穂宛に「トシちゃんとの交際をやめて下さい」と手紙を出したそうです。
手紙だと、手紙を書く、住所を調べる、切手を貼る、投函すると手間がかかりますから一人で大量に出すには強いモチベーションが必要です。ですが、SNSだととても手軽ですし、ちょっとしたプログラムを作ることで、同じ内容のメールを大量に送信できますし、切手代ほどお金もかかりません。
その手軽さから、些細な事柄や自分に直接関係ないことでも、意見せずにいられない人が増えたのでしょう。「その内容を実名で住所も書いて、手紙にして出せますか?」と一歩立ち止まって考えることが必要ですし、手紙にしてでも伝えたい内容だったとしても、過激な言葉を使わず冷静に伝える必要があると思います。この点も、手紙だったら「夜に書いて、翌朝読み返したら恥ずかしくなって捨てちゃった」というのはよくある話ですから、SNSでも同様に送信する前に見直す冷静さは持ちたいです。

手紙は所属事務所に届くので、あらかじめスタッフが開封して中身をチェックし、あまりにひどい内容は本人に見せないこともできます。
SNSの手軽さを芸能人が利用している側面もあります。ファンの声を直接聞くことができる、テレビやラジオと違って制限や編集されること無く発言できることはSNSの長所でしょう。好意的な声がダイレクトなのと同時に批判的な声もダイレクトです。
伝聞ではありますが、芸能人がよく利用している某ブログでは、コメントを運営会社がチェックした上で、パスしたものだけ本人が見られるそうです。
いわれのない誹謗中傷をする人が悪いのはもちろんですが、いつの時代も一定人数はいるものだと心得て自衛することも、芸能人側で必要だと思います。また、誹謗中傷について訴訟を起こして損害賠償金を請求する動きも出ています。そういった対応も必要だと思います。

3 死因が自死であることも、誹謗中傷が原因であることも推測なんですが、所属事務所が死因を公表しないことは賢明な判断だと思います。

自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識の一番目に「自殺の報道記事を目立つように配置しないこと。また報道を過度に繰り返さないこと」とあげられています。
このガイドラインにそって考えると、こうやって記事に取り上げること自体が良くないことかも知れませんが、祖母の思い出話、中学の頃の思い出話と思ってお許しください。

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