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経営者が「決断する」ために必要なこと

 「経営者として、なかなか重要な意思決定をすることができない。」そういった悩みを伺うことが多くあります。今回は、経営者が「決断する」ために必要な3つのことについてお伝えしていきます。

経営者の最も重要な仕事は「決断すること」

 経営者としてやるべき仕事は数多くありますが、その中でも最も重要なことは「決断すること」です。「やるべきこと」だけでなく、「やらないことを決断すること」も重要なポイントです。そしてこの「決断すること」こそ、経営者の方々が最も悩み、苦しむことではないでしょうか。

 一つの決断をするにあたって、例えば定量的なモデルを用いてシミュレーションを行ったり、定性的な外部環境や競合状況を把握したり、あるいは利害が関係する相手の心情を考えたり、と様々なアクションをとって準備をし、必要な情報を得ようとするはずです。当然ですが、このような事前準備は非常に大切なことです。

「経営者は孤独である」と言われる理由

 ただ、どれだけ周到に事前準備をしたとしても、定量分析の前提が変わればシミュレーションの結果は全く変わってしまいますし、外部環境や競合状況、そして相手の内面を予め全て知っておくということは非常に困難なことです。
 外部環境が絶えず変化している中で、自らの意思決定に必要な情報が予め十分に得られることはまずないですし、当然ですが誰も正解やヒントを教えてくれません。そのような不完全・不安定な状況の中で、経営者はたった一人で「決断」をしなければならないのです。これが「経営者は孤独である」と言われる理由でもあります。
 私自身も経営者(CFO)として様々な「決断」をしてきましたが、経営に大きく影響を及ぼすような意思決定の際は、本当に心が苦しく、常に怖さを感じながら決断し、手探りで前に進んできました。

「決断する」ために必要な3つのこと

 では経営者として「決断する」ために必要なことは何でしょうか。

 1つ目は、常にオープンマインドで、謙虚にアドバイスを受け入れる心を持って、素直に相談をすることです。
 外部環境や競合が絶えず変化をする中で、過去の成功体験にとらわれることなく、常に新しいことを取り入れ、自らも変わることが求められている時代です。常に外部からのアドバイスを受け入れる心を持ち、いつでも素直に相談できる相手を予め作っておく、ということが重要です。その相手は、ある時は「その道の専門家」であり、ある時は「自分の心の拠り所となるメンター」であるかもしれません。必要な時に、必要な相手に相談をして受け入れる心を持つ、そんな経営者でありたいものです。

 2つ目は、他人に相談をして素直に意見を聞きつつも、その内容や趣旨をしっかりと理解して腹落ちをさせることです。
 他人からのアドバイスは非常に貴重であり、それを素直な気持ちで一旦は受け入れることが大切です。一方で、そのアドバイスが適切なものかどうかは別問題です。自らの頭でその話の内容や趣旨をしっかりと理解し、腹落ちをさせた上で、本当に取り入れるかどうかを自らの意思で判断しなければなりません。「あの人に言われたから、やってみよう」ではなく、経営者として自らの判断でゴーサインを出すことが重要です。

 最後は「覚悟を持って決断する」ことに尽きるのではないでしょうか。
 前述の通り、どれだけ周到に事前準備をしたとしても、不完全・不安定な状況で判断することが多く、場合によっては誤った経営判断をしてしまうこともあるでしょう。ただ「どんな結果になったとしても、それを受け入れ、自らがラストマンとして最後まで対応しよう」と腹をくくっていれば、仮に誤った経営判断をしたとしても、すぐに冷静に次のプランへ切り替えることができます。経営者として「自分の意思で決め、自分でやりきる」という覚悟を持ち続けていれば、絶えず緊張感を持ち続けながらも冷静な判断をすることが可能になるのです。

 厳しい経営環境の中で、日々しびれるような経営判断をし続けるというのは本当に苦しいことですが、最後まで逃げることなく、「ラストマン」の覚悟と自信をもって経営を進めていくことが、経営者の方々に求められていることなのです。
 私自身も経営者として、そして「社外パートナーCFO」として、経営者の方々の「良きディスカッションパートナー」となり、常に「本質的・多面的・中長期的」な視点で経営をサポートさせていただきます。

最後までご覧下さいましてどうもありがとうございました。 「社外パートナーCFO」についてご関心がある方は、是非下記サイトをご覧ください! https://www.preas.co.jp/