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きちんと学習・宅建過去問3【権利関係・令和元年1-3】

【問1】Aは、Aが所有している甲土地をBに売却した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

3  Bが甲土地の所有権移転登記を備えないまま甲土地をEに売却した場合、Eは、甲土地の所有権移転登記なくして、Aに対して甲土地の所有権を主張することができる。

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【思考プロセスを簡単に】
(1)これは(図を書くと分かりやすいのですが)、AからB、BからEへと不動産が転々譲渡された場合の問題(→AはEの所有権取得について177条の「第三者」にあたるかの問題)。
(2)判例は、177条の「第三者」に該当しないという立場。
(3)本問では、AはEの甲土地の所有権取得について、177条の「第三者」にはあたらない。
(4)よって、Eは登記なくして、Aに対して、甲土地の所有権取得を主張できる。
⇒この選択肢は「正」

【解説】判例の結論を支える実質的な理由を考えてみましょう!
①まず、Aは「Eは登記を備えていないから、BからEへの所有権移転は認められないんだ」と言ってみても、自分(A)自身が甲土地の所有権を取得できる立場にはありません(もう、すでにAはBに甲土地を売却し、所有権を失っています)。そのようなAは、Eについての登記の不存在を主張する正当な利益を有する第三者とはいえませんよね。
②それから、Aが「Eは登記を備えていないから、BからEへの所有権移転は認められないんだ」という主張が認められなくても、Aは現状よりマイナスの利益状況になることはない(Aは権利を失ったりはしないですよね)。このことからも、Aは、Cについての登記の不存在を主張する正当な利益を有する第三者とはいえないといってよいですよね。

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