【お風呂小噺】箱根の温泉は造られている?!

■箱根が心配です

心配なニュースが飛び込んできました。

この連日の雨で熱海での土石流があったように、
箱根の大涌谷でも土砂崩れが発生し、温泉の供給がストップしています。

復旧めどは1週間ほどとのことですが、
箱根大涌谷や強羅の温泉は少し特殊で、自分はもう少しかかるのではないかと思っています。

それはなぜかというと、
箱根の温泉は毎日作っているんです!

普通の方ならこう思うと思います。
「造っている?温泉って、湧いてるんじゃないの??」

箱根においては、湧いている温泉を引いているところもあれば、
造られた温泉を利用しているところもあるんです。

温泉のでき方から、箱根の温泉のでき方までをお教えします。

■温泉のでき方

まず、温泉ができる要素は、3つあります!

【水・熱・成分】

マグマや地熱などによって温められた水に地中の成分が溶け込んだ液体
それが、温泉となります。

この要件を満たしていれば、自然湧出している必要はなく、動力で揚げてもよく、東京の地下から引いている温泉のようなものになります。

ただし、この要件だけの話でいくと、実は海水も匹敵します。
正確に言えば、海水は塩化物泉とも言えるんですが、
唯一の例外で、『現世の海水』は温泉と認定されないことになっています。


次に、温泉と認定された中で、分類を大きく分けると

火山性の温泉、非火山性の温泉、特殊温泉の3種類となります。

火山性の温泉は、皆さんがイメージを持つような山の温泉です。
マグマによって温められて、山の成分が溶け込んだ温泉で、
草津や別府などが有名です。

非火山性の温泉は、東京の温泉のように地下から引いてきた化石水の温泉や海岸近くにあるしょっぱい温泉などがイメージつきやすいでしょう。
黒湯などが有名です。

その他の特殊な温泉は、有馬温泉や放射能泉があり、これらはかなり特殊です。

■箱根の温泉とは

箱根の温泉について、どうなっているかですが、
箱根は火山であるため、山のどこからでも温泉は湧いています。

そのため、箱根も標高が低い、箱根湯元などでは、アルカリ性の温泉を提供しており、これらは湧いている温泉を利用しています。

ただ、これらが常に供給できるのは、重力により、温泉が下の方溜まりやすく、自然の循環ができているからです。

標高が上がるにつれて、
湧出量は少なくなってしまうが、成分となる火山ガスは大量にある。
という現実があったため、大涌谷の人たちはこれらを利用することとしました。

それが、「蒸気井温泉」です。

揚水を行って、その水に火山ガスを溶け込ますことにより温泉を作り、
奥箱根までディーゼルエンジンで送り込むことに成功しました。
成分の濃さも含めて、毎日チェックされて、送り出されます。

こうしてできているのが、大涌谷や強羅の温泉であり、
今回の被害の受けた温泉地です。

もちろん、火山ガスが噴出する箇所は山肌のため、
今回の被害地も簡単に工事が進むとは思えないようなところです。

コロナにより、客足も減っているこの状況下でもありますので、
一日も早く復旧することを願い、
改めて、箱根温泉の魅力が伝われば、嬉しいです!


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