夏の決心~J2へ進め、パルセイロ編~

コロナ禍で迎える2度目の夏。皆さんいかがお過ごしだろうか。

自由に行楽にも出掛けられない昨今重宝するのは、気分だけでも手軽に夏を感じられる、いわゆる「夏うた」だ。花火大会の帰りにiPodで彼女とイヤホンを片耳ずつシェアしながら聴いたあの曲を思い出しただろうか。あいにく筆者はそんな甘酸っぱい青春など過ごすことが出来なかったのでそんなエピソードはないのだが...アラサーな自分がアラフォーにきっと刺さるんじゃないかと推薦する夏の名曲が大江千里さんの「夏の決心」だ。

この曲を自分はポンキッキーズで知ったのだが、この曲ほど少年期の夏休みの情景を歌い上げた曲は無いと思う。夏休みというのは普段はチャレンジできないことや、苦手を克服したり、(筆者は経験できなかった)甘酸っぱい思い出など心身両面で大切な成長の時期だ。

今年のJ3リーグは明日の試合をもって約1カ月半の「夏休み」に入る。思えば我らがパルセイロも6月から今に至るまで、まさに激動のという言葉が似合うほど取り巻く状況が変わっていった時期を過ごした。6月9日の天皇杯2回戦では前年覇者で目下J1リーグ首位を独走する川崎フロンターレに後半ロスタイムまでリードを奪うもPK戦の末敗れたが、誰もが讃えた予想外の大健闘ぶりと敵将からの賞賛コメントに自信をつけたイレブンは、アウェイに乗り込んだ鳥取戦で8ゴールを奪う大勝を収めたのを皮切りに、それまで下位に低迷していたのが噓のような快進撃を始めた。
特に前節の岐阜戦と前々節の沼津戦は、長野にとってそれまで長年「勝てない」という詞が付きまとい苦手だった、膠着状態やビハインドというシチュエーションを、まるで嫌いだった玉ねぎを克服した子供が如く共に勝利という最高の形で飾った。

苦手を克服すると、人は自信を掴む。

そして明日のホームでのY.S.C.C戦では、「動員をかけた試合では勝てない」という苦手の克服に挑む。さらにこの試合をもって秋田へ「転校」する藤山智史のラストマッチは是が非でも勝利で飾りたい。そして前述の通りリーグ戦は約1カ月半の夏休みに入る。

6月に身に付けた自信を持って夏休みに入れるのは好材料。上位カテゴリーからの引き抜きにはドキドキするが、この期間を有意義に使えるかが上位争いを大きく左右する。

「夏休みはやっぱり短い」

「夏の決心」はこの歌い出しで始まる。長いようで短い夏休み。開幕直後の遅れを6月で完全に取り戻したオレンジの獅子が、千尋(せんじん)の谷を駆け上がる力をつけてまた僕らをワクワクさせてくれることを期待しながら再開を待ちたい。まずは明日前半戦を5連勝で締めてくれることを願う。

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