多種多様な生き方。

憧れる生き方は人それぞれあると思います。他者を見て、あぁ私もこうだったらいいのに……と憧れる気持ちを持つことは、誰だって一度や二度はあったはずです。
お金があって、優雅な暮らしをして、特別感を味わえて、人にも称賛されて……きっとそんなことを目標にしている人もいるでしょう。
一方で、私はひっそりと素朴に好きな人と一緒に子どもの成長を眺めながら静かに暮らすのが目標だという人もいるでしょう。

本当の自分に還る、自分と向き合うという類の言葉が、ここ数年私の周りでは多く聞くようになってきています。また私自身もその言葉をよく使っています。
でも実際は本当の自分になっている感覚なんて人はほとんどないのかも知れません。これが本当の自分である、などと断言できるほど人は画一的ではなく、曖昧で、多様なのが人間の本質ではないかなと思うのです。

理想とするライフスタイルと自分の本質が違えば違うほど、人はストレスを感じるでしょう。追い求めても追い求めても手に入ることはないはずです。
たとえ運よく手にできたとしても、違和感を感じながら暮らすかも知れませんし、いつの間にか慣れて快適になるかも知れません。
さらに人は曖昧ですし、年齢によって気持ちも変わり心地良さも変わってきます。きっとその答えは人生の最期にわかる境地なのかも知れないのです。

魂の目的って何でしょう？魂が決めてきた目的があるとするなら、いや、あると思って書いていますが、おのずとその道には今もうすでに乗っているんじゃないかなと思うのです（実際はわかりませんが感覚的に……）。

私自身のことでしか言うことはできませんが、私は人生がスムーズに進んでいる時のほうがギフトに感じます。とても穏やかとは言い難い生活が人生の半分を占めているように感じています。
私の意識が望んでいるのは、キラキラした生活だったり、穏やかな生活だったりしていたわけです。でもそれは虹を追いかけているようで、美しく見えているのに手には入らない。
ある時、ふと思ったんです。きっと私の魂はそれを求めていないんだ、ということです。私にとってつらいこと、きついことを体験する中で心を鍛えてより広く高い視点を持つこと、本質的なものを探りながら人生に活かしていくことが魂の道なのかも知れないなと今は感じています。
でもそれに確信があるわけでもないのです。曖昧になんとなくそうかも知れないくらいに感じているだけですし、意識は相変わらずキラキラしたものを求めてしまいます。

人の生き方は多種多様でいいはずです。制限のない世界で、ジャッジすることのない世界で、あらゆることに挑戦していいし、しなくてもいい。本当に自由なんだと思います。本来は。
ここ数年の日本や世界の現状は、制限がかかっている状況が続いています。怖れの意識が世界に反映していてそれが世の中を制限しているんだなと感じています。本質に戻る前の過渡期、毒出し、浄化。そんな時期に思えるのです。
明日は冬至です。一番夜の時間が長く、陰極まる時。人の意識も揺さぶられ本質に戻る前の過渡期、毒出し、浄化を感じている人もいるはずです。

これが私の理想のライフスタイルというものさえ、執着して追い求めることをやめる勇気を持つことが必要な人もいるかも知れません。
今のありのままの自分自身を受け容れる。これで十分だと満たされてみる。
日々の暮らしを丁寧に、ささやかな何気ない日常の中に幸せを見つける。
足りないものに目を向けたらそりゃたくさんあります、誰だって。そこに目を向けると辛くなるから、今あるものに目を向けてみる。
今は地球そのものが過渡期、毒出し、浄化の真っただ中です。そのリズムに合わせて、自分自身と向き合ってみること。すべてをいったん手放して、今の自分に満たされてみること。

多種多様な生き方があります。これが正解という生き方なんてありません。自分らしい生き方はすでにもうやっていると信じて、今の自分に満たされてみること。それが浄化なのかも知れません。
周りキョロキョロ見渡したって、ネットやテレビを見たって答えなんかありません。答えなんて求めなくていいんです。正解もないんです。だってそもそも人は気分で動くし、気持ちも変わるし、曖昧なんですから。白か黒かよりもグレーでいい。グレーが赦しだし、調和なんだし、多種多様な生き方を尊重できるし、自己信頼に繋がるんだと思います。
理想を追うより今を丁寧に満たされて生きる。そんな時期かも知れません。